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日本健康会議2022、5つの実行宣言の達成状況を報告(10月4日)

経済界や医療界、保険者団体など民間主導で健康寿命の延伸と医療費適正化の実現をめざしている日本健康会議は4日、都内で「日本健康会議2022」を開催した。2021年からスタートした「健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025」の2022年の達成状況が報告された。

健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025

日本健康会議は、第1期(2015~2020年)に続く第2期(2021~2025年)の新たな目標として、5つの実行宣言を設定している。

宣言1は、「地域づくり・まちづくりを通じて、生活していく中で健康でいられる環境整備に取り組む自治体を1,500市町村以上とする」。通いの場に参加する高齢者が8%以上にすることや子ども食堂などの地域づくりに取り組むことなどで、達成状況は目標1500市町村に対して237市町村の15.8%。

宣言2は、「47都道府県全てにおいて、保険者協議会を通じて、加入者及び医療者と一緒に予防・健康づくりの活動に取り組む」。特定健診・保健指導実施率向上に向けて実施率の高い保険者の取り組み事例の共有や加入者のレセプトデータ分析などで、達成状況は目標47都道府県に対して3都道府県の6.4%。

宣言3は、「保険者とともに健康経営に取り組む企業等を10万社以上とする」。健康経営優良法人の認定基準を満たすことで、目標10万社に対して12万9040社(大規模法人2299社+中小規模法人12万6741社)の129.0%。

宣言4は、「加入者や企業への予防・健康づくりや健康保険の大切さについて学ぶ場の提供、及び上手な医療のかかり方を広める活動に取り組む、保険者を2,000保険者以上とする」。達成状況は目標2000保険者に対して344保険者の17.2%。

宣言5は、「感染症の不安と共存する社会において、デジタル技術を活用した生涯を通じた新しい予防・健康づくりに取り組む保険者を2500保険者以上、医療機関・薬局を20万施設以上とする」。保険者は加入者の個人番号を対前年度比20%以上または加入者全体の90%以上の収集など、医療機関・薬局はオンライン資格確認システムを導入するとしている。達成状況は保険者は目標2500に対して109保険者の4.4%、医療機関・薬局は目標20万に対して6万4965施設の32.5%。

環境整備に取り組む自治体の数 2025年に100%を目指す

達成状況を報告した渡辺俊介事務局長(元日経新聞論説委員)は、宣言1について「全国に約1800の市町村があるが、へき地や離島などを除く1500市町村を目標にした。効果検証などもあるため難しかったのではないか。2025年には100%を目指す」と述べた。

宣言3については「達成率129%といきなり目標を達成してしまった。中小企業にとっては健康宣言をすることだったので、取り組みやすかったのだろう。ただ、中小企業は全国に約300万社あるため、基準の見直しも検討していきたい」と述べた。  

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