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労働者協同組合という働き方|#4 組合員の賃金の決め方を考える

勝島 一(かつしま はじめ)/コア・コム研究所㈱主席フェロー

*この記事は2022年1月27日に「Web年金時代」に掲載されました。

前回までは労働者協同組合の3つの基本原理について取り上げました。今回は、より現実問題になりがちな賃金の配分、具体的にはどれだけのお金がもらえるのか、について数字も使って考えてみたいと思います。

以下は労働者協同組合法第1条からの抜粋(太字は筆者)ですが、太字部分が基本原理にあたります。
「この法律は、各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就労する機会が必ずしも十分に確保されていない現状等を踏まえ、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、及び組合員自らが事業に従事することを基本原理とする(略)」

基本原理の背景の問題意識として、「各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就労する機会が必ずしも十分に確保されていない現状等」があります。
労働者協同組合がこの状況を改善するよう機能するために、賃金の水準、決め方について組合員が納得できることが大切な要素になるものと筆者は考えています。

労働者協同組合法では、「賃金」に直接言及している規定はありませんが、あえて賃金を今回取り上げたいと思います。なお、賃金ではありませんが、組合員が組合から受け取る金銭として剰余金の配当があります。その性格は異なるものですが、組合の財の分配という観点から両者を取り上げます。全員が同額の賃金であれば簡単ですが、仕事の質や量によっては同額であることが不公平になる場合があるため、この分配方法を考えてみたいと思います。

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