支払基金、審査基準の統一に向けた取り組み進める(4月28日)
社会保険診療報酬支払基金の屋敷次郎理事長特任補佐は4月28日の会見で、厚労省の「審査支払機能の在り方に関する検討会」の報告書について見解を表明した。
3月29日にまとまった報告書では、「審査結果の不合理な差異の解消」や「支払基金と国保中央会・国保連のシステムの整合的かつ効率的なあり方」について方向性を示している。
報告書を踏まえた支払基金としての今後の取り組みとしては、「審査結果の不合理な差異な解消」に向け、コンピュータチェックや審査基準の統一に向けた取り組みを進める。 コンピュータチェックの統一に向けた取り組みでは、「2024年4月までに両機関の整合的なコンピュータチェックを実現するため、順次、国保と調整しながら進める」と述べた。
審査基準の統一では、「全国で約3万3000ある各都道府県の審査基準について、2022年10月までに重複や整合性を整理し、全国統一に向けた検討を進める。また、地域レベルで両機関が情報共有・協議を行うなど全国統一につなげる方策を検討する」との考えを示した。
「支払基金と国保中央会・国保連のシステムの整合的かつ効率的なあり方」に向けては、「2024年4月より受付領域の共同利用を開始し、2026年4月の審査領域の共同利用の開始を目指して両機関で共同利用機能の共同開発の体制を構築するなどして進めていく」としている。
また、支払基金の保有資産活用基本方針を発表した。都道府県支部の廃止や職員によるレセプト審査事務の実施場所が集約されることから、基本的な判断基準を設けて事務所の空きスペースの貸付や売却などの方向性を整理した。 築30年以上の審査委員会事務局24か所は、建物の状態が悪い事務所から新規事務所へ移転・売却する。
築30年未満の審査委員会事務局(3大都市圏以外)10か所は、建物調査を実施し、必要な修繕を行い既存事務所を継続使用する。築30年未満の審査委員会事務局1か所(神奈川)は、建物調査を実施し、必要な修繕を行い既存事務所を継続使用するとともに、空きスペースの貸し付けを検討する。
一方、令和3年2月審査分の審査状況を発表。医科歯科の原審査は、新型コロナの影響で前年同月に比べ請求件数は11.7%減少、請求点数は3.9%減少となった。