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支払基金の5年度事業計画「新生支払基金の本格稼働へ」(3月1日)

社会保険診療報酬支払基金は3月1日の会見で、令和5年度事業計画案を発表した。事業計画の基本方針において、令和5年度は「新生支払基金の本格稼働とその基盤充実の年」「データヘルスの基盤充実の年」と位置づけ、審査結果の不合理な差異解消の取り組みの本格化、オンライン資格確認の原則義務化への対応をかかげている。

令和5年度事業計画案を発表する社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐=2023年3月1日

5年度事業計画について須田俊孝理事長特任補佐は、「昨年10月から新組織がスタートして半年経って、いよいよ新年度から本格稼働し、さまざまな組織の基盤を充実していくために検討を進めていきたい」と述べた。

審査結果の不合理な差異の解消では、今年1月から開始した職員のレセプト交換について10月から範囲を拡大する。職員が把握した差異事例や審査委員会からの検討依頼事例に対し、診療科別ワーキンググループで検討し、ブロック内での審査基準の取り扱いの統一を促進する。

令和5年度から、「判断が明らかなレセプト」に別の手数料を設定する二階層化を導入。人が確認するレセプトの割合やコストなどの実績を収集・分析し、三階層化などさらなる階層化を検討する。

AIのレセプト振り分けによる目視対象レセプトの割合は現在、全体の16%程度だが、今年10月には10%にすることを踏まえ、定員削減を行う。令和5年度の職員定員は令和4年度末から146人減の3780人としている。

診療報酬改定DXの共通算定モジュールの開発に着手

一方、データヘルスの取組みとしては、今年4月からのオンライン資格確認の原則義務化を踏まえて対応する。

令和6年秋の健康保険証廃止を見据え、保険医療機関等に対する導入支援に注力するとともに、健康保険証を利用する全ての保険医療機関等の環境で資格確認できるよう、ウェブサービスを開発する。

オンライン資格確認の普及を踏まえ、電子処方箋管理サービスの運用や、医療DXの推進において将来の「全国医療情報プラットフォーム」につながる医療機関間での電子カルテ情報交換サービスを開発する。

診療報酬改定作業を大幅に効率化し、システムエンジニアの有効活用や費用の低廉化を図るため、診療報酬改定DXの共通算定モジュールの開発に着手する。   

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