中医協が人口減少の進む中での地域医療を議論(7月10日)
中医協総会は7月10日、2020年度診療報酬改定に向け地域づくりにおける医療のあり方をテーマに議論を行った。具体的には、「地域包括ケアシステムにおける入院医療」「情報連携・共有」「医療資源の少ない地域等での医療提供体制」の課題を論点とした。
今後の人口減少で地域の姿は大きく変わるため、委員からは、「地域の実情に応じた医療提供体制を構築する観点で、診療報酬を考える必要がある」との意見が相次いだ。
また、厚労省は地域医療構想の実現に向け、公立・公的医療機関の医療機能の重点化などで、対応方針を強化していることを紹介した。
地域医療構想の推進と診療報酬との関係について、協会けんぽの吉森俊和委員は、「地域医療構想がほとんど進んでいない。診療報酬が寄り添い、後押しすることが必要」と求めた。
これに対し日本医師会の城守国斗委員は、「地域の実情が様々であることからも、(全国一律の)診療報酬で誘導するのは無理がある」と強調した。
連合の平川則男委員は、「民間病院を対象とした再編・統合の議論が特に遅れている。診療報酬で何ができるかを考えるべきだ」と述べた。
「医療資源の少ない地域等での医療提供体制」については、2012年度以降の改定で様々な対応を図っているが、活用されていない特例措置もある。多くの地域で人口減少が進む中で、対象地域の選定方法やどのような対応が必要かを再考すべきとの意見が出た。