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マイナンバーへの紐づけは直近2年でミスなしーー日本年金機構令和4年度業務実績報告書(案)

厚生労働省の社会保障審議会年金事業管理部会(増田寛也・日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長)は5月31日、日本年金機構の令和4年度業務実績報告書(案)について審議した。機構は、新しい時代に貢献する基幹業務の推進や、オンラインビジネスモデルの着実な実現などを令和4年度の重点取組課題としていた。

厚生年金の調査対象事業所は減少

厚生年金の適用については、国税庁から提供される情報などを活用して把握した適用調査対象事業所に対する加入指導を行い、約9.6万事業所を新規適用し、約18.3万人の被保険者を適用した。また、調査対象事業所は令和3年度末の18.5万事業所から16.9万事業所に減少した。
短時間労働者の適用拡大の適用事業所に対する制度周知や事業所調査を行うため、被保険者数が101人~500人の事業所に令和3年度から2年間かけて調査を実施しているが、令和4年度は適用拡大の対象事業所となり得る約5万事業所のうち2万9,768件実施した。調査を実施していない対象事業所にも制度周知を行っている。

老齢年金の請求が電子申請で行えるようシステム開発に着手

事業所向けサービスのオンライン化については、電子申請による届出が義務づけられている事業所や、被保険者数が51人以上の事業所に対して重点的な利用勧奨を行ったところ、資本金1億円超の事業所の電子申請利用割合は94.1%となり、重点的な利用勧奨を行う前の令和元年度と比較して62.6ポイントのプラスとなった。また、被保険者数が51人以上の事業所の電子申請利用割合は78.5%で令和元年度比プラス46.7ポイント、電子申請された資格取得届などの主要7届書の割合は被保険者ベースで64.6%で令和元年度比プラス40.7ポイントとなった。また、令和5年1月からは、社会保険料額情報・保険料増減内訳書などが電子データで受け取れる「オンライン事業所年金情報サービス」を開始し、令和5年3月末時点で1万2,873事業所が利用登録を行っている。
個人向けサービスのオンライン化については、手もとに納付書がなくてもネットバンキングから保険料を納付できるサービスを令和6年1月から開始するため、「ねんきんネット」に保険料納付に必要な番号を表示する仕組みを構築するシステム開発に着手した。また、ねんきんネットを活用して令和5年9月からは扶養親族等申告書、令和6年4月からは老齢年金請求書を電子申請できるようにするため、業務要件を見直し、システム開発に着手した。

マイナンバーは基本情報を一致させて紐づけ

委員からは、さまざまなトラブルが報道されているマイナンバーについて、「機構で基礎年金番号とマイナンバーの紐づけについてはミスが起きない対策を講じているか」といった質問が出され、機構は「年金記録問題があったことから慎重に取り扱っている。マイナンバーの導入以前から住基コードと基礎年金番号の紐づけを行ってきたが、氏名・生年月日・住所・性別の基本情報をすべて一致させて紐づけている。万が一のことを考えてチェックも行い、直近2年についてはミスが生じていない」と回答した。また、「機構の業務にAIを活用する方向性について考えを聞かせてほしい」という意見に対しては「紙の届書をデータ化することにAIを活用できないか数年前から検討しているが、現状ではまだ正確性のレベルが足りない。人とAIとで作業を行うことなども検討している」と答えた。
厚労省と機構はこの日出された質問や意見を踏まえて令和4年度業務実績報告書(案)を修正し、次回も部会で審議を行う予定だ。

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