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算定の少ない療養・就労両立指導料の見直しへ(10月25日)

中医協は10月25日の総会で、治療と仕事の両立支援の診療報酬の見直しについて議論した。厚労省は、療養・就労両立支援指導料の見直し案を提案した。

同指導料は平成30年度改定で導入したが、算定回数は非常に少ない。主治医が産業医に診療情報を提供し、産業医の助言を踏まえ、治療計画の見直しをするまで算定できない、産業医の助言を得るのが困難であることが一因と考えられる。

主治医が企業から勤務情報を受け、それに基づき療養上の指導を患者に実施するとともに、企業に診療情報を提供した場合を評価する。産業医の配置義務は50人以上の事業場であり、中小企業が対象になりにくいことにも配慮した。

委員からは、概ね合意を得られたが、医学的知識が乏しい担当者が診療情報を取扱うことや、診療情報の漏洩を懸念する意見があった。また、対象疾患はがん以外に、脳卒中、肝疾患、難病にも拡大する方向。

救急医療管理加算の議論も行った。同加算には、「1」(1日900点)と「2」(1日300点)がある。厚労省は、「1」でも、意識障害の指標であるJSCや呼吸不全・心不全の指標であるNYHA、広範囲熱傷の指標であるBurn Indexで、軽度な状態が一定程度あることを示した。

診療側の委員が「患者の状態は刻々と変わるので、評価時点で重症でない場合がある」と主張すると、支払側の委員もある程度納得した。「2」については、基準が「1」に準じるものになっている。支払側の委員は、「2」の基準が「曖昧だ」と指摘した。診療側の委員は「2」は多様な患者の救急を受け入れる二次救急の評価であり、「1」との別の基準を新たにつくるべきと主張した。  

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