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重版出来! 届出・手続事務はこの1冊で万全『社会保険の事務手続(総合版)』令和5年度版

社会保険研究所から4月中旬に『社会保険の事務手続(総合版)』令和5年度版が発刊されました。1967年の初版から56年、今年も全国の公的機関、企業の社会保険ご担当者様にご予約、ご採用いただき皆様のお手元にお届けしております!
感謝をこめて賞与シーズンに試し読み「賞与を支給したとき」を以下に公開いたします。


賞与を支給したとき-標準賞与額と賞与支払届

賞与の支給日から5日以内に、事業主は「賞与支払届」で被保険者ごとの賞与額を保険者等に届け出ます。

年3回以下の賞与が標準賞与額の対象

賞与も保険料や年金給付の対象

賞与についても、健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険料を納めます。賞与の保険料額は、標準賞与額に基づいて決められます。
標準賞与額とは、各被保険者の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てたものですが、上限が設定されており、健康保険は年間累計額573万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額)、厚生年金保険は1ヵ月あたり150万円(同じ月に2回以上支給されたときは合算)となっています。
年度途中で被保険者資格の取得・喪失があった場合の標準賞与額の累計は、保険者単位とすることになっています。

標準賞与額の対象となる賞与
標準賞与額の対象となる賞与とは、賃金、給料、俸給、賞与、手当などの名称を問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち7月1日前の1年間を通じ3回以下支給されたものです。現物支給も含まれ、その価額などの取り扱いは標準報酬月額と同様です。7月1日前の1年間に4回以上支給されるものは報酬とみなされ、標準報酬月額の対象となります。労働の対償とはみなされない結婚祝金などは対象外です。

保険料額は「標準賞与額×保険料率」で計算

各被保険者の標準賞与額に保険料率を掛けて算出した金額が賞与の保険料額になります(「標準報酬月額・保険料月額表」を使用するのではなく、標準賞与額に直接、保険料率を掛けて計算します)。
保険料率は毎月の保険料の場合と同様、健康保険(協会けんぽ)が都道府県単位保険料率、厚生年金保険が平成29年9月から1000分の183.00【18.3%】で、保険料は事業主と被保険者が折半で負担します。
介護保険の第2号被保険者(40歳到達月から65歳到達月の前月まで)については、健康保険料に上乗せして介護保険料(協会けんぽは標準賞与額×1000分の18.2【1.82%】)も折半で負担します。

賞与支払届の提出と保険料の納付

被保険者ごとに賞与額を届出

賞与を支給したとき事業主は、支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」により支給額等を届け出ます。被保険者賞与支払届については、日本年金機構に登録されている賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名・生年月日等を印字したものが事業主に送られてきます。事業主は、これに支払年月日や被保険者ごとの賞与額などを記入します。
なお、転職・転勤等により同一年度内に複数の被保険者期間がある場合で、標準賞与額の累計が、健康保険の年間の上限額(573万円)を超えるときは、事業主を通じて「健康保険標準賞与額累計申出書」を提出することになっています。

賞与の支給がない場合は報告書を提出
賞与の支給が行われなかった場合には、「賞与不支給報告書」で「不支給」を届け出ることになっています。賞与支払予定月に報告書の提出がない場合には、後日、提出勧奨のお知らせが送付されます。また、登録されている賞与支払予定月に変更がある場合も、報告書に変更後の賞与支払予定月を記入して届け出ます。

毎月の保険料とともに納付

賞与支払届により被保険者ごとの保険料が算定されますが、賞与の保険料は、その月の毎月の保険料とあわせて、原則として翌月の納入告知書により請求されますので、月末までに納入します。事業主は、被保険者負担分を賞与支払時に控除します。

資格取得・喪失月の取り扱い
毎月の保険料と同様に、資格取得した月(資格取得日以後)に支給された賞与は保険料の対象となりますが、資格喪失月の賞与は対象になりません。ただし、健康保険での年度累計の対象には含まれます。
資格取得と同じ月に資格喪失があった場合は、資格取得日から資格喪失日の前日までに支払われた賞与は対象になりますので、賞与支払届を提出します。

産前産後休業・育児休業等期間の取り扱い
産前産後休業・育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までについては、事業主の申出により、毎月の保険料と同様に賞与の保険料も徴収されません〔育児休業等の場合は賞与支給月の末日を含んだ連続した1ヵ月を超える休業に限ります(32頁)〕。ただし、健康保険の年度累計の対象になるので、賞与支払届の提出は必要です。

子ども・子育て拠出金も同時に納入
事業主は、賞与支給時にも「子ども・子育て拠出金」を納めます。拠出金の額は、厚生年金保険の各被保険者(産休・育児休業等により賞与の保険料が徴収されない被保険者を除く)の標準賞与額に拠出金率(30頁)を乗じた額の総額となります。

賞与支払届の記載例

賞与支払届は、登録された賞与支払予定月の前月に年金事務所(事務センター)から送付されます。届書には、事業所整理記号、事業所番号、賞与支払年月日、被保険者氏名、生年月日等が印字されています。印字されていない方がいる場合は、空欄に手書き等で追記します。
事前に届け出た賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、別途、賞与不支給報告書を提出します。

賞与支払届記載例
賞与不支給報告書記載例

社会保険の事務手続(総合版)令和6年度版
定価:1,540円(税込)
社会保険研究所ブックストアにてお買い求めいただけます。
※令和6年度版が4月に発刊されました。
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