令和4年10月施行の適用拡大で新たに2割の短時間労働者が適用――JILPT調査
労働政策研究・研修機構は5月16日、社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査及び働き方に関するアンケート調査結果を公表した。
令和4年10月から厚生年金保険・健康保険の適用拡大対象となった企業(常時雇用者101人~500人)に勤務する短時間労働者について、適用状況や働き方の変化を見ると、そのままの所定労働時間で社会保険が適用されたと回答した者は14.5%、社会保険が適用され、かつ手取りが増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長したと回答した者は6.4%となり、あわせて約2割(21.0%)が新たに適用されたことがわかった。
一方で、社会保険が適用されないよう所定労働時間を短縮したと回答した者は1割強(12.0%)に及んだ。
このほか、社会保険は適用されず、今後も働き方を変えるつもりはないと回答した者は約4割(41.4%)、社会保険は適用されず、働き方に変化はないが、今後については検討していると回答した者は約2割(21.0%)だった。
調査は短時間労働者10,000人を対象に、令和4年11~12月にかけてWeb調査で実施。令和4年10月から適用拡大対象となる企業に勤務する短時間労働者(適用拡大前から社会保険の適用者を除く)は1,163人だった。
新たに厚生年金保険・健康保険に加入した理由(複数回答)を見ると、「勤め先から(加入するように)言われた」が44.3%と最も多く、次いで「将来の年金額を増やしたいから」(27.9%)、「保険料の負担が軽くなるから」(25.4%)、「収入を増やしたい(維持したい)から」(20.5%)などと続いた。
一方、所定労働時間を短縮して厚生年金保険・健康保険に加入しなかった理由は「手取り収入が減少するから」(56.1%)が最も多く、次いで「配偶者控除を受けられなくなるから」(43.9%)、「健康保険の扶養から外れるから」(37.4%)「加入するメリットがわからないから」(22.3%)などの回答となった。