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千葉県医師会が認知症啓発強化週間を開催 認知症と運転免許について医師が講演

千葉県医師会は「認知症でも安心な千葉に!! 2017 認知症啓発強化週間」を開催した。

同イベントは9月18日から9月27日まで開催しており、地域の認知症支援の具体的取り組みや在宅医療・介護の実情について、地域医療に携わる医師や医療専門職の講演を聴くことができる。会場の千葉県医師会館・地域医療総合支援センターには、医療介護関係者や行政担当者、一般市民が来場し、講演の質疑応答では講師との活発な意見交換がされている。

9月21日は、君津木更津医師会理事の嶋田宗彦医師が、「認知症カフェと認知症患者さんの運転免許の話」の演題で講演した。

平成29年3月の道路交通法改正で、認知症のおそれのある75歳以上の高齢運転者は診断書の提出が義務付けられた。これにより認知症と診断された場合には公安委員会の判断において運転免許が取り消しとなる。

講演では、この法改正にいたった社会的背景、そして改正後の診断書や免許取り消し件数等の動向についてデータを示しながら説明し、続いて君津木更津医師会や嶋田医師が地域の中でどのような支援を行っているのかを発表した。  

君津木更津医師会では現在、運転について不安を持つ高齢者に対し、自主返納という選択肢があることを積極的に情報発信する取り組みを進めているという。

嶋田医師は認知症カフェの場で利用者に、交通事故の被害者・加害者にならないこと、運転免許の自主返納とそのメリット(優遇措置や運転経歴証明書の発行)について啓発してきた。また院長として運営する嶋田医院でも、高齢者や家族の相談に応じている。2ヶ月の間に27名の免許証の相談があり、4名が自主返納を選択し、2名が運転経歴証明書を発行したという。運転への不安、体力・視力低下、家族からの説得があって代替の交通手段が確保できている場合、しっかりとした検査と診断、助言・アドバイスをして、これを問題がありそうな方の自主返納につなげていくことが地域の医療機関の業務として大切だろう、と考えを述べた。

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