見出し画像

謎の新興国アゼルバイジャンから|#54 日・アゼルバイジャン経済協力のシンボル―シマル・ガス火力複合発電所第2号機の完成―

香取 照幸(かとり てるゆき)/アゼルバイジャン共和国日本国特命全権大使(原稿執筆当時)

*この記事は2019年10月17日に「Web年金時代」に掲載されました。

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

みなさんこんにちは。
今回は、日本とアゼルバイジャンの経済協力のシンボルである、シマル・ガス火力複合発電所第2号機の完成の話題を中心に、この国の経済発展と日本の関係についてお話ししたいと思います。
社会保障のお話はお休みです(笑)。

去る9月5日、10年をかけてバクー郊外で建設が進められていた「シマル・ガス火力複合発電所第2号機」の開所式が盛大に催されました。
式典には、アゼルバイジャンからイルハム・アリエフ大統領、ルザエフ・アゼルエナジー総裁、大統領府・エネルギー省関係者、日本からは山田外務大臣政務官(当時)、JICA本部東・中央アジア部長・ジョージア支所長が参加したほか、発電所建設に関わった三菱・日立パワーシステムズ、東電設計、東洋エンジニアリングなど多くの日本企業の関係者が参加しました。

シマル・ガス火力複合発電所第2号機の外観。
中央司令室で発電所の始動ボタンを押す山田外務大臣政務官(当時)とアリエフ大統領。
中央制御室のメインパネル。左がシマル1号機、右が2号機。
中央のパネルに始動ボタンがセットされていました。
開所式終了後、関係者に謝辞を述べるアリエフ大統領。
中央の山田政務官の左側がルザエフ・アゼルエナジー総裁。
敷地内に設置された記念碑。
シマル2パワープラントはアゼルバイジャンと日本の友好と協力により建設された、とあります。(FRIENDSHIPの綴りが間違っているのはご愛敬(笑)。
翌日「すぐに修正しました」と報告がありました。)


当日の国内ニュース報道は以下のリンクから。アゼルバイジャン語版では7分以上にわたる発電所の概要と当日のセレモニー映像がアップされています。
https://video.azertag.az/site/video/78466(アゼルバイジャン語)
https://video.azertag.az/en/video/78480(英語)

ここから先は

4,194字

¥ 100

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。