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#25|60歳以降に初診日がある時の納付要件判定

年金時代編集部

 国民年金の納付義務は60歳までのため、60歳以降に初診日がある傷病により障害年金を請求する際は、通常とは異なる点がいくつかあります。

 前号で解説したのは、まず、60歳から65歳までの厚生年金に加入していない期間(要するに未加入期間)に初診日があった場合は、障害基礎年金の請求となります。初診日において、日本国内に住所があるということも気を付ける点です。

 次に、直近1年間に未納がないという納付要件において、その対象となる1年間は、初診日から遡った直近の被保険者期間にかかる1年間ということでした。

 しかし、現在は、定年も延長されましたし、60歳を超えても厚生年金に加入している人のほうが多いかと思われます。当然、60歳以降でも厚生年金に加入していれば、障害厚生年金の請求は可能です。
 ただし、直近1年の納付要件を判定する時は、やはり特殊なものがあります。

 今回は、60歳以降の厚生年金加入中に初診日がある人の事例から、直近1年の納付要件判定の方法を検証していきます。

 今回の相談者も年金保険料の納付状況が思わしくないため、障害年金の「3分の2」要件は満たせそうにありません。しかし、若いころに12年程度厚生年金に加入していますので、自身の老齢年金は受給できる資格があります。

※ 老齢年金とは
 ①老齢基礎年金・②老齢厚生年金・③特別支給の老齢厚生年金のことを言う。保険料を納付した月数と免除した月数、更に合算対象期間という特殊な月数を合計した月数が120月以上(10年)あれば、受給することができる。
 ①と②は本来の老齢年金と呼ばれ、65歳から支給される(繰上げした場合は除く。)。③は、支給開始年齢引上げの過渡期として、特別に65歳前から支給される老齢厚生年金のこと。前述の120月以上に加え、厚生年金加入期間が1年以上あることも求められる。

1.初診日の特定

 変形性膝関節症は、主に、加齢等により膝関節の軟骨がすり減り、関節が変形してしまう症状のことを言います。従って、60歳から徐々に膝が痛くなり、仕事をして更に悪化したため整形外科を受診したというストーリーは、よくあることです。
 このことから、初診日は「令和4年6月29日」でよいでしょう。60歳以上ですが、初診日において厚生年金に加入していますので、納付要件を満たせば障害厚生年金の請求が可能です。

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