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数理の目レトロスペクティブ|#11 最終給与比例給付

坂本 純一(さかもと じゅんいち)/(公財)年金シニアプラン総合研究機構特別招聘研究員

 給付算定式のしめくくりとして、最終給与比例の算定式を取り上げてみたい。最終給与比例の算定式とは、退職直前の給与額、ないし退職直前の数年間の平均給与額に勤続年数により定められた乗率を乗じて年金額を計算する算定式である。

 最終給与比例は職域年金、企業年金で使われる給付算定式で、公的年金で使われることはない。生涯の納付保険料が多いにもかかわらず、たまたま最終給与が低い人の給付が低くなることになり、世代内の公平性が保てないからである。

 一方、企業年金の世界ではこの算定式が使われるケースが多かった。英・蘭・瑞・米等の多くの確定給付型の職域年金、企業年金では、最終給与比例の給付算定式が用いられていた。わが国の単独企業が実施する企業年金の多くも、以前は最終給与比例の算定式であった。

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