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労働者協同組合という働き方|#8 労働者協同組合の短時間労働者について

勝島 一(かつしま はじめ)/コア・コム研究所㈱主席フェロー

*この記事は2022年5月26日に「Web年金時代」に掲載されました。

前回は労働者協同組合における就労期間について考えましたが、今回は短時間労働者について取り上げたいと思います。

労働者協同組合法(以下、法律という。)は、今年の10月1日(2022年10月1日)に施行されますが、同日に、短時間労働者の健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る法律改正が施行されます(なお、本稿では以降、健康保険・厚生年金保険を社会保険と呼ぶこととします。)。

労働者協同組合法は、第1条(目的)の冒頭で「生活との調和」について言及しています。以下に抜粋します。
「この法律は、各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就労する機会が必ずしも十分に確保されていない現状等を踏まえ(略)多様な就労の機会を創出することを促進するとともに(略)」(太字は筆者)

各人が就労と生活との調和を保つ方法の1つとして、短時間労働という働き方も含まれていると想定され、労働者協同組合にとっても短時間労働者の取り扱いは注目すべき事項と考えています。

短時間労働者の社会保険適用拡大の概要

2016年9月以前は労働時間が短い(週の労働時間が通常の労働者の4分の3未満)労働者には、社会保険が適用されていませんでした。2016年10月以降は4分の3未満の労働者も、いくつかの要件を満たした場合は、適用されることになっています。

要件は下の表の通り事業所と短時間労働者のそれぞれに定められており、2016年以降3回にわたり徐々に拡大するスケジュールとなっています。

注:日本年金機構のホームページの表を基に筆者作成。

今年(2022年)の10月以降は、事業所の規模の要件が今までの「常時500人超」から「常時100人超」へ、短時間労働者の勤務期間が「継続して1年以上使用される見込み」から「継続して2カ月を超えて使用される見込み」へ緩和されます。

ちなみに、短時間労働者の欄にある4つの要件は全て満たす必要があります。例えば、賃金、勤務期間、適用除外の項目を満たしていても、週の所定労働時間が19時間であれば適用になりません。

2024年10月以降は常時50人超の事業所まで適用対象が拡大されます。なお、50人以下(2024年9月以前は100人以下)の事業所も、労使の合意があれば、適用事業所になることができるとされています。

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