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人工呼吸器をどの患者に配分するか、判断手順のひな形を生命倫理の専門家が提言(3月30日)

新型コロナウイルスの感染がさらに拡大し、病院で人工呼吸器が不足した場合に、どのような考え方とプロセスで人工呼吸器の配分を判断するべきか。生命・医療倫理研究会の有志が3月30日に「COVID-19の感染爆発時における人工呼吸器の配分を判断するプロセスについての提言」を公表した。

提言の作成者は、医師である竹下啓・東海大学教授と倫理学者の堂囿俊彦・静岡大学教授ら6名の生命倫理の専門家。  

新型コロナウイルスの感染拡大により患者が急増して人工呼吸器が不足すると、どの患者に人工呼吸器を装着すべきか、病院において医師・看護師らが判断せざるをえない場面が生じることが想定される。

また、病状悪化を止められず、人工呼吸器をつけても救命の可能性が極めて低い患者がいるとき、その患者から人工呼吸器を外して、別の救命可能性が高い患者に人工呼吸器を装着することを考えざるをえないケースも想定される。

このような状況下で判断を行うための基本原則と判断の手順について、提言では大枠を示した。具体的には、◇救命の可能性の高い患者を優先する◇患者の性別、人種、社会的地位、公的医療保険の有無、病院の利益の多寡(例:自由診療で多額の費用を支払う患者を優先する)などによる順位づけは行わない◇患者が医療従事者であるか否かは考慮しない◇誰を優先するのかは、医療・ケアチームで検討し、その内容を記録する◇医療・ケアチームで判断するのが困難な場合、倫理コンサルテーション等を活用するなど、医療・ケアチームの外部に支援を求める――などとしている。

人工呼吸器だけでなく、ECMOや集中治療室なども不足し、どの患者に配分するか判断を迫られる場面が今後、生じる可能性があるが、その際にもこの提言が示す判断のプロセスをとるべきとした。  

提言では、搬送先の病院により医療に差が生じないよう、患者が救急搬送される段階でのトリアージや、病院に対する医療資源の配分を適切に行う公的な仕組みの確立も必要と指摘した。

「この提言を叩き台や契機として、COVID-19 の診療にあたる病院、関連学会、行政での検討が行われることを期待する」としている。

参考:生命・医療倫理研究会有志による「COVID-19の感染爆発時における人工呼吸器の配分を判断するプロセスについての提言」原文  

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