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医薬品の有識者検討会では「改定頻度」「医薬品の価値の評価」「薬価差」が論点に(10月12日)

厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」は10月12日、11月以降に本格的に議論する論点について議論した。「革新的な医薬品の迅速な導入」「医薬品の安定供給」「薬価差」の3つのテーマについて厚労省から論点案が示された。

革新的な医薬品の迅速な導入に向けては、◇薬価改定の頻度◇イノベーションや医薬品の価値を踏まえた評価◇先発企業が長期収載品から収益を得る構造から脱却し、研究開発へ再投資することを促進するための方策◇アカデミア・バイオベンチャー企業におけるシーズの開発促進―を論点とした。

薬価での価値の評価について、遠藤久夫座長は「これまでも、画期性加算などの各種の加算で、医薬品の価値を評価してきている」と述べ、加算による価値の評価の実態を踏まえて議論をしていくべきとの考えを示した。

「薬価差なくなれば医療機関・薬局の経営に多大な影響」

薬価差については、薬価差が生じる背景にある医薬品の取引条件や取引形態の差を踏まえた改定のあり方を論点に挙げた。

川原丈貴委員は、「薬価差は医療機関の経営原資になっている」と指摘。「売り上げの約1%が薬価差ではないか。もし、薬価差をなくしてしまったら、医療機関・薬局の経営に多大な影響があることは認識してもらいたい」と述べた。

厚生労働省資料:薬価差が発生する要因は主に「1)市場原理下の取引から当然に生ずるもの」「2)薬価差を得ることを目的とした値下げ交渉といった市場流通の歪みにより生ずるもの」に分類される

また、総論として、「社会保障費の自然増抑制に薬価改定による削減額を充ててきたことをどう考えるか」も論点に挙がった。

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