同時改定に向け医療と介護の連携で意見交換会(3月22日)
厚労省は3月22日、「医療と介護の連携に関する意見交換会」を開いた。平成30年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向け、中医協と社保審・介護給付費分科会の委員が議論した。
冒頭、厚労省の迫井正深医療課長は「30年度の同時改定は、2025年までに大きく舵を切ることができる実質的な最後の機会であり、非常に重要な分水嶺である」と強調した。同日の議題は「看取り」と「訪問看護」。
「看取り」については、厚労省が最善の治療方針の判断や意思決定を行うための支援、地域包括ケアシステムを推進するための関係機関の連携を課題にあげた。委員からは、「老衰」で亡くなる高齢者に積極的な治療が行われる現状を問題視する意見が相次いだ。
本人・家族が看取りの場所と決めた場所でも、病態が急変すると大病院に救急搬送される事例が多いと指摘があった。厚労省は、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を作成しているが、医療福祉従事者の認知度も低いと報告した。看取りを支える在宅医療の体制としては、日本医師会の鈴木邦彦委員は「訪問診療を行うかかりつけ医と、24時間対応の訪問看護、有床診や中小病院の後方支援の3点セットで対応すべき」と主張した。
「訪問看護」について厚労省は検討の視点として、◇訪問看護ステーションの事業規模の拡大や病院・診療所が行う訪問看護の拡大◇訪問看護と他のサービスを組み合わせた複合型サービスの提供の推進◇訪問看護の24時間対応や急変時対応─などを示した。
出席者からは、訪問看護師とケアマネジャーの連携促進を強調する意見や、訪問看護の24時間対応の必要性を指摘する意見が出された。