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少子高齢化「今までに経験したことのない厳しい時期に」健保連・宮永会長(2023年7月28日)

健康保険組合連合会(宮永俊一会長=写真)は7月28日に総会を開催し、令和4年度事業報告や一般会計収支決算などを了承した。宮永会長は、現行の保険証では実現できない、質の高い医療提供や医療費の適正化を推進するため、マイナンバーカードと保険証の一体化に向けた取組みの推進を図る考えを示した。

宮永会長は冒頭の挨拶で、今年4月に厚労省が公表した将来推計人口に言及し、「少子高齢化社会が今までに経験したことのない厳しい時期に入ることは間違いない。このようななかで、健保組合も社会に向けて課題を一つひとつ解決しながら原点に立ち返り、その強みを生かし、時代の変化に応じた取組みを進めていく必要がある」と述べた。

5月に可決、成立した「全世代型対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための改正健康保険法」については、「これまでの『負担は現役世代、給付は高齢者』という考えから、日本の優れた健康保険制度を全世代で支えていく方向性が評価された。健保連が従前より主張してきた現役世代の負担軽減を盛り込んだ内容となっており、大変評価できるもの」との考えを示した。

マイナンバー保険証の推進を支援

その一方で、「保険者間における格差是正という観点から、前期高齢者納付品の一部について、報酬水準に応じた調整が導入されることになった。現役世代の負担軽減という改革の趣旨を踏まえれば、これ以上の拡大は断じてあってはならない」と強調した。

マイナカードと保険証の一体化については、「健保組合の皆様には登録データのチェックなど懸命に取り組んでいただいており、健保連としてもサポートしていく。現行の保険証では実現できない、質の高い医療提供や医療費の適正化を推進するためにも、さらなる取組みをお願いしたい」と述べた。

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