支払基金、診療報酬「共通算定モジュール」の開発準備へ(12月21日)
社会保険診療報酬支払基金は12月21日の会見で、診療報酬改定DXの「共通算定モジュール」の開発について令和5年度から着手できるように準備を進めていることを明らかにした。翌22日の「医療DX令和ビジョン2030」厚労省推進チームの会合で、支払基金が開発を行うことを決定した。
共通算定モジュールは、診療報酬や改定作業を大幅に効率化し、医療機関やベンダーの負担軽減に向けて、各ベンダーが共通のものとして活用できる診療報酬改定・患者の窓口負担計算を行うための電子計算プログラム。
5月に自民党政務調査会がまとめた提言「医療DX令和ビジョン2030」では、「厚労省・審査支払機関・ベンダーが協力し、デジタル庁のサポートも得て『共通算定モジュール』を作成する」ことを明記。6月の骨太方針でも、診療報酬改定DXの取組みを行政と関係業界が一丸となって進めることが記された。
これを受けて支払基金では、令和5年度から共通算定モジュールの開発に着手できるよう、令和4年度において早期に検討体制を整備し、必要な要件定義を行うため、令和4事業年度社会保険診療報酬支払基金事業計画及び保健医療情報会計収入支出予算の変更を行うことを示した。
須田俊孝理事長特任補佐は、診療報酬改定DXを含む医療DXの施策の工程表が来年3月に策定されることを示した上で、「仮に令和6年度早々にも開発が求められれば、早めの準備が必要だ。令和5年度から開発に着手できるよう、令和4年度中に準備していきたい」と述べた。
あわせて、「柔整あはき等オンライン資格確認」のシステム開発は令和4年度から令和5年度にかけて、「流行初期医療確保措置」のシステム改修は令和5年度から令和6年度初めにかけて実施することから、事業計画・予算等の変更を行うことも発表した。
神田理事長、再任で3期目に
一方、同会見では、公益代表役員選任の認可を発表。理事長に神田裕二氏を再任。3期目となり、任期は令和4年12月17日~令和6年12月16日。
また、理事の山本光昭氏、監事の塔下和彦氏をそれぞれ再任した。