加藤元厚労相、連休明けに電子カルテ標準化のPT中間まとめ(4月11日)
自民党・社会保障制度調査会長の加藤勝信・元厚労相は4月11日、日本医業経営コンサルタント協会のセミナーで講演した。電子カルテの標準化などを検討している自民党の「健康・医療情報システム推進合同プロジェクトチーム(PT)」の中間まとめを5月の連休明けに行い、骨太方針2022に反映させる考えを明らかにした。
合同PTは、社会保障制度調査会とデジタル社会推進本部が2月に発足。共同座長は加藤氏と平井卓也・前デジタル担当相が務める。これまで5回開催し、関係省庁や医療関係団体、ベンダーなどからヒアリングを実施した。
加藤勝信・元厚労相 加藤元厚労相は、「できれば5月の連休明けに中間的な取りまとめを行い、方向性を出していきたい。これまで(電子カルテの)情報をどのように整理するとともに、どのように交換規格をつくるか。そのベースとしてマイナンバーカードによる医療保険のオンライン資格確認等システムをどう活用していくか。ガバメントクラウドを活用していくことも議論してきた。また何といっても費用負担をどうするか」と振り返った。
その上で、「私たちはやるとかやらないではなく、どのようにやっていくかである。ヒアリングを通じて役所も、アカデミアも、医療界も、ベンダーもその思いを強く持っていることを認識した。まさに機運は整ってきており、これをどう進めていくか」と述べた。
2年ごとの診療報酬改定によってシステム改修が大変だという声があることに触れ、「診療報酬改定は紙ではなくてプログラムそのものでつくって、それを各医療機関に渡せば簡単に進むのではないか。こうしたことによってデジタル化の理解も進むのではないだろうか」と述べた。
データのクラウド化については、「我々のなかでは、クラウド化は一つの流れであるという認識で議論されている。平井前大臣からは、クラウドのほうがリスクが高いというのは間違いで、むしろセキュリティは高いと考える時代に入ってきたという指摘があった。国内にデータ蓄積できるベースをしっかりつくることが求められていく。デジタル庁が持っているガバメントクラウドを活用していくことで、コストの削減やセキュリティの強化にもつながる」と述べた。