関西経済連合会が年金以外の所得が一定以上の高齢者の老齢基礎年金の支給停止を提言
公益社団法人関西経済連合会は10月16日に「社会保障を中心とする税財政に関する提言~財政健全化、経済成長、国民の安心を支える社会保障制度の確立に向けて~ 」をとりまとめ発表した。
提言では、「必要とされる程度に応じた給付・負担」という考え方から「公的年金は、保険料の納付期間などの受給資格等をふまえて受給権が発生するものの、基礎年金の財源の半分は国民が広く負担する税などから賄われる国庫負担である。この点を鑑みれば、年金以外の所得が一定以上の比較的ゆとりがある高齢者については、老齢基礎年金の支給額の逓減あるいは支給停止を制度化すべきである」と提言する。
受給時の経済的状況によって、老齢基礎年金が受給されない場合があると、現役世代の保険料支払い意欲や勤労意欲、さらには受給年齢に達している人達の勤労意欲にもかかわってくるが、それに対して同連合会は、「老齢基礎年金の支給額の逓減あるいは支給停止については、全体的な給付水準の向上や将来世代の負担軽減に資するという観点から重要と考える。就労を阻害しかねないとの指摘もありうるが、対象となる年金以外の所得の一定以上の水準を相応の額に設定することで想定される懸念を解消できると考える」としている。
また、社会保障給付費の伸びを抑制する仕組みを導入するために、公的年金については、「名目下限措置(前年度より年金額を下げる調整までは行わない措置)を撤廃し、マクロ経済スライドを確実に発動することが最重要である。加えて、公的年金の支給開始年齢については、 これまで段階的に引き上げられているが、今後の見直しにあたって、 平均余命や現役世代の人口などを目安とする基準を設定すべきである」としている。