訪問介護事業所は対前年1.5%増加、訪問看護ステーションは9.4%増 令和3年介護事業所調査(12月27日)
厚労省は12月27日、令和3年「介護サービス施設・事業所調査」の結果を公表した。
介護サービス施設・事業所調査は、毎年10月1日現在の状況を調査しているもの。全国の介護サービスを提供する施設・事業所数や職員の配置状況、介護サービスの利用状況等を把握し、今後の介護サービス関連施策の基礎資料を得ることを目的としている。
介護保険施設の施設数をみると、介護老人福祉施設が8,414施設(対前年+1.3%)、介護老人保健施設が4,279施設(▲0.6%)、介護医療院が617施設(15.1%)、介護療養型医療施設が421施設(▲24.3%)となっている(表1)。
看護小多機事業所が約15%増
居宅サービス事業所の事業所数をみると、訪問介護が35,612事業所(+1.5%)、訪問看護ステーションが13,554事業所(+9.4%)、通所介護が24,428事業所(+1.4%)となっている。 地域密着型サービス事業所の事業所数をみると、対前年増減率が大きく上昇しているのは定期巡回・随時対応型訪問介護看護および複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)で、それぞれ1,178事業所(+7.2%)および817事業所(+14.9%)となっている。
訪問介護事業所は3年連続で増加
訪問介護事業所の3年間の推移をみると、令和元年は34,825事業所、令和2年は35,075事業所(対前年+250)、令和3年は35,612事業所(+537)と、連続して増加している。
従事者についてみると、介護職員(訪問介護員)の従事者数は、介護老人福祉施設が295,957人、介護老人保健施設が127,611人、訪問介護が512,890人、通所介護が223,488人となっている。
介護医療院と介護療養型医療施設の施設数は逆転
介護保険施設の種類ごとに定員をみると、介護老人福祉施設が586,061人(対前年+1.7%)、介護老人保健施設が371,323人(▲0.5%)、介護医療院が38,159人(+13.1%)、介護療養型医療施設が13,533人(▲30.0%)となっている(表2)。
施設数では、介護医療院は617施設(+81)となり、介護療養型医療施設(421施設(▲135))をはじめて上回った。
12月20日に社会保障審議会介護保険部会が取りまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」では介護事業者の数に関して、「介護保険制度は、その創設から22年が経ち、サービス利用者は制度創設時の3倍を超え、介護サービスの提供事業所数も着実に増加」、「介護が必要な高齢者の生活の支えとして定着、発展」していると評価。
一方で、高齢化の伸展に伴い介護費用が制度創設時から約3.7倍の13.3兆円(令和4年度予算ベース)になるとともに、1号保険料の全国平均は6,000円超となっていることから、「今後、一人当たり給付費の高い年齢層の急増が見込まれることも踏まえた対応が必要」としている。