全自病が働き方改革対応など令和4年度診療報酬で要望(6月17日)
全国自治体病院協議会は6月17日の会見で、「令和4年度社会保険診療報酬に関する改正・新設要望書」を発表した。医療従事者の働き方改革や新型コロナウイルス感染症などに対応するため、出来高111項目、DPC8項目で、増点や算定要件の改善などを求めている。15日に厚労省に提出している。
医療従事者の働き方改革については、医師の働き方改革を推進するために医師事務作業補助者の増員が必要だとし、現在の医師事務作業補助体制加算では人件費をカバーできないことから増点を求めた。看護師の負担軽減も急務とし、急性期看護補助体制加算の引き上げを要望している。
新型コロナ感染症対応では、感染防止対策の評価が低いとし、感染防止対策加算の見直しを求めた。増点のほか、「感染防止対策地域連携加算」の新設や施設基準の緩和を求めた。
救急医療では、初診料を算定する患者のみ算定できる夜間休日救急搬送医学管理料について、再診料を算定する患者も算定可能とすることを求めた。
精神科救急入院料については、算定できる病床数は精神病床が300床以下の場合は60床以下、300床超の場合はその2割以下とし、基準を超えて病床を持つ医療機関は令和4年3月31日までの間、届け出ていれば病床数を維持できる。この期限を廃止し、令和4年4月1日以降も維持できるように要望した。
臨床検査では、病理診断料の月1回算定を毎回算定にすることを要望。現状では同一月に異なる組織検体の病変に対して複数の病理診断が行われた場合でも月1回のみの算定になっており、現行は月1回算定の組織診断料450点を毎回算定にすることを求めた。
DPCの関連では退院時処方の取扱いの見直しを求めた。退院時処方は転院時に算定することができないが、「転院先で取り扱いがない薬剤(抗がん剤や指定難病の治療の薬剤など)については、算定できるよう検討していただきたい」と要望した。
会見で、小熊豊会長は要望書について、厚労省の濱谷浩樹保険局長や井内努医療課長らに直接説明したとし、「私は『地方の病院では薬剤師や看護助手、調理員が足りない。特に調理員については、今のままでは下手をすると病院での食事の提供が困難になる』と申し上げた。そのため入院時食事療養費を増やしてもらわないと、雇うための原資がないと話をさせてもらった」と述べた。