支払基金、レセ交換による差異把握で19事例の検討を開始(2023年4月25日)
社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐(写真)は4月25日の会見で、審査結果の不合理な差異の解消に向けた取組み状況について発表した。レセプト交換による差異事例の把握状況や審査取決事項の整理状況を報告した。
支払基金は、今年1月から職員の出身都道府県と出身都道府県以外のレセプトを一部交換することによる複数都道府県のレセプト審査事務を開始。1月から3月の処理において、職員が把握した審査結果に差異がある事例は、全ブロックで計306事例となった。
306事例については、あくまでも職員が複数都道府県レセプト間の審査結果(一方は査定、一方は請求どおり)の違いのみを把握したものであるため、検討すべき不合理な差異か否かについて、診療科別ワーキンググループ等による内容確認を行うこととしている。
その結果、今年3月末時点で306事例のうち、検討対象外162事例、内容確認中事例102、検討対象事例42と整理。
42事例をブロック別に見ると、◇東北3事例◇関東3事例◇中部27事例◇近畿7事例◇九州2事例で、中四国ブロックはなかった。
検討対象事例のうち、19事例(東北1事例、中部17事例、九州1事例)については診療科別ワーキンググループにおける検討を開始した。
検討終了している医科の審査取決事項は93.3%
一方、今年3月末時点の審査取決事項の整理状況について検討終了している支部取決事項は、医科は93.3%、歯科・調剤は100.0%となっている。医科は1万978事例のうち、1万2444事例の検討が終了した。
1万244事例のうち、341事例が全国またはブロック統一、9903事例が削除と整理。残り734事例のうち、検討を要するものは729事例。昨年12月末時点では医科は90.1%、歯科・調剤は100.0%だった。
審査取決事項の統一に向けては、昨年9月に重複や整合性の整理を完了。今後は今年9月までに検討の一巡、2025年3月までに統一を完了できるよう、本部及びブロックの診療科別WGで検討・整理を進める方針となっている。
須田特任補佐は「残りの事例数は少ないが、統一をしていかなければいけないものもあるので、しっかり医学的根拠を示しながら検討していきたい」と述べた。