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介護保険部会が介護人材の確保を議論(7月26日)

社会保障審議会介護保険部会は7月26日、次期介護保険制度改正に向け、介護人材の確保について議論した。介護人材の確保は喫緊の課題であり、厚労省は、①介護職員の処遇改善、②多様な人材の確保・育成、③離職防止・定着促進・生産性向上、④介護職の魅力の向上など、総合的な対策を実施してきた。

介護現場の離職率は平成29年度の調査で、10%未満の事業所が4割である一方、30%以上の事業所も2割存在するなど2極化している現状にある。

日本医師会の江澤和彦委員は、「10年、20年以上勤続している介護職員も大勢いる。なぜ彼らが長く勤務を続けることができたのか。あるいはどういう事業所が、職員の勤続年数が長いか等についてヒアリング等で調査を実施すべき」と求めた。合わせて新たに介護業界に就業した新人職員にもヒアリングすることを要望した。

日本看護協会の齋藤訓子委員も「離職が抑えられている事業所はどんな特徴があるのか調査し、何か取り組めることがあるか検討していくべき」と述べた。

今回で介護保険部会は、分野を横断する主な検討事項に関する議論を一通り終了した。厚労省は今後、これまでの議論を踏まえるとともに、残されている課題も整理し、より具体的な論点を部会に示してさらなる検討を求める。

給付と負担のあり方も議論される。部会は年内を目途に意見をとりまとめ、それを踏まえて厚労省は介護保険法等の改正案を来年の通常国会に提出する考え。

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