調剤業務の一部外部委託 薬機法改正視野に対応方針を整理(7月11日)
厚労省は7月11日、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ~薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン~」を公表した。
令和4年2月から7回にわたり開催された「薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」(主査:赤池昭紀・和歌山県立医科大学薬学部教授)の議論を集約したもの。
同WGではこれまで、地域包括ケアシステムやDX(デジタルトランスフォーメーション)等の環境変化に対応した、今後の薬局・薬剤師のあり方やそれを実現する方策について検討してきた。
本とりまとめにおいて、今後の薬局薬剤師には地域包括ケアシステムを支える重要な医療職種としての活躍が求められており、このためには次の3つの観点が重要としている。
対人業務のさらなる充実
ICT化への対応
地域における役割
同WGではこれらを推進するため、対物業務の効率化を図り、薬剤師が対人業務に注力できるようにとの観点から、調剤業務の一部外部委託について議論した。
現在、調剤業務の外部委託は薬機法によって認められていないが、本とりまとめにおいては、薬剤の「一包化」に限って認めていく方針を明らかにした。ただし、直ちに必要とするものは除くとともに、委託元の薬局で最終監査を行うことが困難な散剤の一包化は対象外となる。
委託先は薬局とするが、同一法人内に限定しない。一定の距離制限を設け、同一の三次医療圏内とする。
なお、法改正後には安全性や地域医療への影響等を踏まえて、一包化以外の業務を外部委託の対象に含めるべきか否かの検討を行うとしている。一包化以外の業務例として、高齢者施設入居者への調剤をあげている。
薬局以外の場所でオンライン服薬指導を行う場合の対応方針を提示
また本取りまとめでは、自宅等の薬局以外の場所からオンライン服薬指導を行う場合に係る対応方針を示した。主な対応方針は次の通り。
責任の所在を明確にする観点から、薬局に所属していなければならない
薬局内にいる場合と同等程度に患者の心身状態に関する情報を得られる体制を構築する
騒音や劣悪なネットワーク環境下を避ける
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守する
当該薬剤師は調剤が行われる薬局に所属し労務を提供している薬剤師とする
厚労省は以上にもとづき検討を進め、必要な制度改正を行うべきとしている。