介護分野の文書負担軽減や制度改正全般を検討(12月5日)
社会保障審議会介護保険部会は12月5日、「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」の中間取りまとめの報告を受け、意見交換を行った。さらに「論点ごとの議論の状況」を踏まえ制度改正に向けて全般的に検討した。
中間取りまとめについて、賛意を示す意見が相次いだ。他方でサービス利用のうえでの利用者・家族の文書作成の負担軽減を求める声や、処遇改善加算の計画書の提出は初年度のみとする提案、文書負担軽減を実施した後のフォローアップをきちんと行うことへの要望も出された。
「論点ごとの議論の状況」は前々回(11月14日)の会合から厚労省が今後の取りまとめに向けて提示してきたもので、その都度の議論を反映してきている。
「論点ごとの議論の状況」の「総論」では、団塊の世代が75歳以上となる2025年、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年までを展望するとともに、地域共生社会の実現に向けて必要な見直しを進める考えを表明。
その上で、部会でこれまで検討を進めてきた、①介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)②保険者機能の強化③地域包括ケアシステムの推進④認知症施策の総合的な推進⑤持続可能な制度の構築・介護現場の革新⑥その他─の6つの観点に分けて、現状・基本的な視点と議論の内容などを整理している。
今回、「持続可能な制度の構築」(給付と負担の見直し)について複数が発言。介護保険の利用者負担を「原則2割」とすることを求める声が上がる一方、反対も出された。
部会は今後、12月9日午後の会合でまとまる見通しの「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」の議論の取りまとめについて報告を受けて意見交換を行うとともに、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の弾力的な運用に関して議論を深める方向だ。
厚労省は、総合事業の利用対象者やサービス事業の単価設定の弾力化を進める上で、対象者の拡大の範囲や、通常設定されている単価をどこまで超えることを認めるかなど、「幅に関して意見を聞きたい」としている。