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病院の昨年6月診療分は赤字額が拡大(1月23日)

日本病院会、全日本病院協会および日本医療法人協会は1月23日、初めて3団体合同で実施した病院経営定期調査の結果を発表した。回答した1000病院について、昨年6月診療分を前年同月と比較すると、費用増が収益増を上回り、赤字額が拡大していることがわかった。

診療単価は、入院・外来ともに2%を超える増加となったが、延患者数の減少の影響で、診療収益は入院が1.51%の増収、外来は▲0.48%減収、入院+外来は0.90%の微増となった。延患者数は入院が▲0.44、外来が▲3.21で減少傾向にある。

6月の医業損益を前年同月と比較すると、経常利益が赤字の病院割合はわずかに改善して53.8%だったが、全病院の平均で費用増が収益増を上回り、赤字額は拡大。100床当たりの医業収益は1380万円の赤字となった。

調査は3団体に加盟する全病院(4424病院)を対象に昨年8月~10月にEメールまたはFAXで実施。昨年6月の診療収益や患者数などを聞いた。1168病院が回答し(回答率は26.4%)、有効回答の1111病院について集計した。

日本病院会の相澤孝夫会長は同日の会見で、「1000を超える病院のデータが集まった。結果をみると、病院の利益率の低さが明白で、病院経営は厳しい状態が続いている」と強調した。

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