岸田首相が施政方針、全世代対応の社会保障制度の構築に取組む(1月23日)
岸田文雄首相は1月23日に開会した通常国会で、施政方針演説を行った。
こども・子育て政策をはじめ、全世代対応の持続的な社会保障制度の構築に取組む考えを訴えた。
こども・子育て政策については最重要課題と位置づけ、「従来とは次元の違う少子化対策を実現したい」強調。4月に発足するこども家庭庁の下で政策を体系的にまとめ、6月の骨太方針までに将来的なこども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示する方針を示した。
「安心してこどもを産み、育てられる社会を創る全ての世代、国民皆にかかわる課題とあわせて、若者世代の負担増の抑制、勤労者皆保険など社会保障制度を支える人を増やし、能力に応じてみんなが支えあう、持続的な社会保障制度の構築に取組む」と述べた。
新型コロナ対策では、「原則この春に、新型コロナを『新型インフルエンザ等』から外し、5類感染症とする方向で議論を進める。これに伴う医療体制、公費支援など政策の対応について段階的な移行の検討を進める」と述べた。
今後の感染症危機対応のため、「内閣感染症危機管理統括庁」や「いわゆる日本版CDC設置」に向けた法案を提出する意向を表明。
マイナンバーカードは「デジタル社会のパスポート」と強調。「今後、スマートフォン1つあれば、診察券も保険証も持たずに、医療機関の受診や薬剤情報の確認ができるようになる」と意義を唱えた。
イノベーション分野では、「日米の企業が共同開発し世界で初めて、本格的なグローバル展開が期待されるアルツハイマー病の進行を抑える治療薬が米国FDAの迅速承認を受けた」と述べ、エーザイの治療薬「レカネマブ」を紹介。「日本発、世界初のイノベーションが国境を越えて、認知症の方とその御家族に希望の光をもたらすことは、大変嬉しいことである」と述べた。