日薬会長が診療報酬改定の議論「これまで以上に厳しく」(6月26日)
日本薬剤師会の山本信夫会長は6月26日の定時総会で、令和4年度診療報酬改定に向けた議論について「これまで以上に厳しくなる」との見方を示した。
骨太方針2021で来年度の社会保障費について後発医薬品の使用促進やOTC類似薬の給付範囲の見直しに言及していることを指摘し、「昨年以降のわが国の経済状況の衰退に鑑みると、次回診療報酬改定に向けた交渉はこれまで以上に厳しくなると予想される」と述べた。
新型コロナワクチンの薬剤師による接種については、厚労省の検討会が「今後の接種の進捗状況を見て、必要に応じて検討する」としたことに触れ、「本会では第一に薬剤師の本来業務での協力によって打ち手の確保をする一方、打ち手として要請を受けた事態に即応できるよう準備を進めている」と述べた。
政府の規制改革会議で、一包化調剤の外注を可とする規制緩和や現行の薬剤師配置基準の緩和を求める議論が起きたことについては、「効率化のために薬剤師の本質業務である調剤行為を外注することは本末転倒な議論だ。あまつさえ、他の専門職から本質業務のあり方に意見されることは看過できない。これまでどおり時代の要請に的確に対応できるよう、業務の見直しや改善に不断の努力を傾注する」と述べた。
スイッチOTC化が議論されている緊急避妊薬については「薬剤師として複合的な視点での議論が求められる。医療用医薬品のOTC薬へのスイッチという基本的な政策には賛成だが、使用者の健康状態に与える影響やスイッチにすることによる社会的影響も十分に検討されなくてはならない。易きに流れることなく社会的要請にも配慮し、スイッチ化の判断を誤らぬように対応していく」と述べた。