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健保連副会長、マイナカードと保険証の一体化「実務をどう回すかが重要」(2月16日)

健保連の佐野雅宏副会長(写真)は2月16日の総会で、情勢報告として①医療保険制度改革②かかりつけ医機能の制度化③マイナンバーカードと保険証の一体化―について説明した。

マイナンバーカードと保険証の一体化については「実施までに解決すべき課題は山積みだ。実務をどう回すかが重要」との認識を示した。

今国会に提出された健保法等改正案に盛り込まれた医療保険制度改革の内容については「高齢者の負担見直しを中心に現役世代の負担軽減策が入る一方、前期納付金の一部報酬調整など健保組合全体とした場合の負担増も入っている。健保組合への財政支援も含めると一定のメリットがある内容だと思うが、我々が主張してきた2025年問題の解決にどれだけつながるかの観点からみると、正直まだまだ程遠いと言わざるを得ない。とはいえ、前回導入された後期高齢者の窓口負担2割の対象拡大、今回の制度改正も含めて現役世代の負担軽減が改正の際の主要なテーマとして定着してきたことは一歩前進だととらえたい」と述べた。

かかりつけ医機能の制度化については、健保連として昨年11月に、①一定上の機能を有する医療機関を公的に認定する仕組み②任意だが、国民が自分で選んだ医療機関を登録する仕組み―を提言したことに触れ、「政府内で今通常国会に提出する法案が検討された際に、日本医師会をはじめ医療界からは『医療機関・医師の選別につながるのではないか』といった危惧が強く示され、我々が主張する認定・登録には絶対反対という立場で政治を巻き込んで駆け引きがされたと聞いている」と発言。

佐野副会長は、「今回の法案ではまだ踏み込んだ内容にはなっておらず、あくまでも第一歩を踏み出した位置づけにとどまるが、我々としては医療の質の向上や国民の健康増進、疾病予防に役立つ制度の実現をめざして引き続き主張を続けていきたい」と述べた。

マイナンバーカードと保険証の一体化・保険証の廃止については、デジタル庁・総務省・厚労省による検討会および健保連の代表も参加している専門家ワーキンググループで議論を進めていることに触れ、「実施までに解決すべき課題は山積み状態である」と強調した。

実施までの基本的な流れとして、①国民がマイナンバーカードを持つ②事業主が加入者のマイナンバーを正確・迅速に健保組合に報告する③健保組合が正確・迅速に資格登録を行う―の3つの流れをあげた。「これが達成されれば健保組合が保険証発行を行う必要がなくなり、国が進めているオンライン資格確認等によって国民が医療情報や薬剤服用履歴、健診情報を踏まえた診療が可能になるので医療の質が高まり、健康増進にも寄与する。その意味で大きな方向性については健保連として賛成だ」と述べた。

一方、課題としてオンライン資格確認の導入をあげるとともに、「前提条件ともいえる3つの流れのうち、健保組合に来る前の段階の2つの流れは加入者や事業者に対応してもらうしかない。この流れがきちんとできないと、現行の保険証発行やそれに準ずる措置を行うため、かえって業務負担は増える。制度や仕組みをつくることも問題だが、実務をどう回すかが重要になる」と述べた。

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