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謎の新興国アゼルバイジャンから|#51 「地方の自立」について考える

香取 照幸(かとり てるゆき)/アゼルバイジャン共和国日本国特命全権大使(原稿執筆当時)

*この記事は2019年8月1日に「Web年金時代」に掲載されました。

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

みなさんこんにちは。
まずは近況報告から。

ラマダン明けの6月19日、日本大使公邸で、5月1日に御即位された天皇陛下の御即位祝賀レセプションを開催しました。
例年、各国大使館が行う最大の公式レセプションは各国のナショナルディに行うレセプションです。日本のナショナルディは天皇陛下の御誕生日。イギリスも女王陛下の御誕生日。アメリカ合衆国は独立記念日、フランスはフランス革命記念日、ドイツは東西ドイツ統一記念日です。

上皇陛下の御誕生日は12月23日ですから平成時代の日本のナショナルディレセプションは原則12月でした。天皇陛下の誕生日は2月23日ですから令和のナショナルディレセプションは原則2月開催ということになります。というわけで令和最初の日本のナショナルディレセプションは年明けてからの開催、ということになります。

天皇陛下の御即位は30年ぶりの一大慶事です。5月に御即位祝賀のレセプションをやる、ということは、平たく言ってしまえば今年度はナショナルディレセプションを2回やるようなことになります。財政厳しい折、特別な予算措置がない中での開催です。とはいえ何せ30年に一度の御代替わり、海外メディアでも大きく取り上げられ、日本に対する関心も高まっている中での開催ですから日本への理解を高める絶好の機会です。大使館としては(それこそメンツにかけてでも)それにふさわしいレセプションにしないといけません。
館員一同いろいろ知恵を出し、工夫と努力をして、200名近いゲストが参加して無事、御即位祝賀レセプションを開催することができました。

当日の大使挨拶。後ろは政府を代表して祝辞を述べたババエフ環境・天然資源大臣。
大の仲良し、フランス大使とのツーショット。

まずはホッとしたところ。

で、もう一つ報告。
6月30日から7月10日まで、ユネスコの世界遺産委員会がここバクーで開催されました。日本でも大きく報道されたと思いますが、この委員会で、大阪府下の百舌鳥・古市古墳群の世界遺産としての登録が承認されました。

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