診療報酬等の回収不能額は過去最高の1980万円――支払基金(2023年9月26日)
社会保険診療報酬支払基金の北波孝理事長特任補佐(写真)は9月26日の会見で、令和5年3月末における診療報酬等収支整理不能額の処理について発表した。
医療機関の開設者が行方不明などにより、診療報酬等の過払金を回収できない場合、10年の消滅時効で回収不能となった処分額は1980万4558円で過去最高となった。回収不能額は審査支払会計から8月31日付で欠損補填を実施した。昨年3月末では1895万5227円だった。
回収不能額の内訳は、医科659.8万円(病院19.2万円、診療所640.6万円)歯科1068.2万円(病院0円、診療所1068.2万円)、調剤薬局229.9万円、訪問看護ステーション22.7万円となった。
前年を上回って過去最高となった要因について、北波特任補佐は「東日本大震災によって行方不明になった方や医療機関が業務停止してしまった事例がみられることと、医療機関の休廃業が増えていることが影響していると影響しているとみられる」と述べた。
オンライン資格確認担当の理事長特任補佐を新設
一方、支払基金定款の一部変更について8月29日付で厚生労働大臣の認可を受けたことを報告した。オンライン資格確認担当の理事長特任補佐の新設にあたり、理事長特任補佐の定款上の人数を従来の2人以内から3人以内に変更した。
新たな理事長特任補佐として、9月1日付で小澤時男氏(厚労省元こども家庭局総務課長)が着任した。