年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#4 要介護認定と障害者控除
10年ほど前のことですが、50代の男性のTさんからこんなご相談を受けました。
「私の母は介護施設に入所しており、1年前から要介護5に認定されているのですが、私が確定申告をするときに、母について障害者控除が受けられますか? ちなみに母は、障害者手帳は持っていません」
このとき私は、「要介護の段階が最も重い5の人なら、障害者控除の対象になって当然じゃないの!?」と思いました。ところが詳しく調べてみると次の2点がわかりました。
①要介護認定と所得税法上の障害者控除とは連動していないので、要介護を理由に障害者と認定されるには、原則として住んでいる市町村への申請が必要
②障害者認定については、市町村ごとに認定基準等が異なる
この件については、その後何度か社労士の仲間内の勉強会で話題にしているのですが、まだまだ情報が行き渡っていないと感じますので、今回も3つの事例を踏まえて詳しく見ていきたいと思います。
まずは障害者控除についての確認です。
納税者本人や同一生計配偶者または扶養親族が、所得税法上の障害者に該当する場合には、一定の金額を所得から差し引くことができ、年末調整や確定申告により、所得税と住民税の負担を軽減することができます。
そこで、障害者控除の区分と控除額について<図表1>にまとめました。
次に、要介護認定を受けている人はこの所得税法上の障害者に該当するのか否かについて、<図表2>で解説します。
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