見出し画像

#29|障害年金受給者の額改定請求(その2)


 傷病を患ったことにより障害状態になった直後、その傷病が原因で合併症等を引き起こし、それによって新たな障害がもうひとつ増えるというように、短い時間の中で複数の障害状態になることもあります。

 通常ですと、障害年金は障害認定日(原則、初診日から1年6カ月経過した日)に障害状態を診査することとなりますので、複数の障害が短時間差で発生した場合でも、障害認定日請求をすれば、それらをまとめて診査することとなりますので、特に問題はありません。
 しかし、仮に、そのひとつひとつの障害が、ペースメーカー等の症状固定とされるような障害の場合であったら、どのように請求すればよいか。今回は希少事例とはなりますが、そのような事例を検証していきたいと思います。

 今回の相談者は現在、遷延性植物状態とのことですので、代理人として相談者の妻が相談に見えられています。

1.初診日の特定

 遷延性植物状態になった原因は脳梗塞ですが、大動脈解離の合併症として発症した脳梗塞ですので、双方には相当因果関係があり、初診日は大動脈解離により救急搬送された「令和5年12月15日」のHR病院ということになります。この日において厚生年金に加入しており、また、納付要件も十分みたしていることから、障害厚生年金の請求が可能となります。

ここから先は

3,628字 / 4画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。