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#2 第2回社会保障審議会年金部会の議論を巡って③

権丈 善一(けんじょう よしかず)
坂本 純一(さかもと じゅんいち)
司会:年金時代編集部

※この記事は、2018年8月24日に「Web年金時代」に掲載されたものです。

年金財政では「実質的な運用利回り=スプレッド」と「実質賃金上昇率」が重要

権丈:この資料(「経済前提が年金財政へ与える影響について」)は、僕が第2回専門委員会で資料請求したものです。僕たちは、公的年金の給付水準については、「所得代替率」で話をします。だから、経済前提の専門委員会で議論している賃金や利回り、そして物価などの変数が所得代替率に与える影響をまとめた資料を作ってほしいと頼みました。この資料の内容については、報告をしてくれた年金局の佐藤さんの発言を紹介させてください。

於:2018年3月9日第4回年金財政における経済前提に関する専門委員会
○佐藤数理調整管理官
年金局数理課の数理調整管理官の佐藤です。私のほうから資料2から4について御説明いたします。資料2、経済前提が年金財政に与える影響について御説明いたします。この資料は第2回の当委員会において権丈委員より、経済前提が年金財政にどのような影響を与えて、最終的に所得代替率にどのように影響するのか整理していただきたいという旨の御発言がありました。そこで、事務局において経済前提が年金財政に与える影響を整理したものです。経済前提が年金財政に影響を与える結果として、マクロ経済スライドの給付水準調整期間が変動するということになりまして、それを通して将来の所得代替率にも影響を与えることになります。
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