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外保連と内保連が「AI診療検討委員会」の議論を開始(7月14日)

外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の岩中督会長は7月14日の記者懇談会で、内科系学会社会保険連合(内保連)と合同で「内保連・外保連合同AI診療検討委員会」(委員長=井田正博・水戸医療センター放射線科部長)を設置したことを発表した。同8日に初会合を開き、2022年度診療報酬改定に向けて、AI診療について具体的な議論を開始。岩中会長は次期改定に間に合うように検討を進めていく意向を示した。

AI診療については、厚労省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」が2017年6月にまとめた報告書では、AIの実用化が比較的早いと考えられる「ゲノム医療」「画像診断支援」、「診断・治療支援」「医薬品開発」の4領域と、段階的に取り組むべきとする領域の「介護・認知症」、「手術支援」の合計6領域を重点領域に位置付け、現在は厚労省の「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」で引き続き検討している。

こうした現状を踏まえ、検討委員会では「診断・治療支援」のなかの①放射線②超音波③眼科④皮膚科⑤内視鏡⑥病理―の6領域と、「手術支援」について重点的に検討していくことを確認。

AIの臨床導入については、「医師主導の開発が不可欠である」「医師がAIを利用することで一歩先の診断ができる可能性がある」などの意見が出た。

一方、同記者懇談会では、外科系の医療に対する新型コロナウイルス感染症の影響について報告が行われた。

日本外科学会の池田徳彦氏は、手術トリアージについて決行か延期かの選択について説明。延期の手術は「手根管症候群手術」「症状のない良性疾患」「健診の消化管内視鏡」などをあげ、感染予防策を講じて慎重に実施する手術としては「外傷」「ほとんどのがん手術」「臓器移植」「心臓手術」「重症下肢虚血に対する血管手術」などをあげた。

同感染症の感染蔓延期において世界的にみて、良性疾患の84%、悪性疾患の30%、産科の20%、全体では73%の手術が延期されたとのデータも紹介した。

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