公私病連が決議「医師の働き方改革は偏在対策が前提条件」(6月22日)
全国公私病院連盟は6月22日の定時総会で、医師の偏在是正と働き方改革への対応など5項目について決議を採択した。
総会終了後の会見で邉見公雄会長は「厚労省が進める三位一体改革は順番をつけてほしい。まずは医師の偏在対策、次いで地域医療構想。医師の働き方改革は先の2つが整ってからやらないと地域医療が崩壊してしまう」と注文した。
医師の偏在是正と働き方改革については「働き方改革の前提条件として実効性のある医師の偏在対策を講じるとともに、地域医療の確保に支障が生じないように必要な対応を検討する」ことを求めている。
新型コロナウイルス感染症対策については、「直ちに患者数が回復することが見込めない中、同感染症に対応できる体制を維持していくため、令和5年度予算においても新型コロナウイルス感染症関連補助事業を継続する」ことを要望した。
診療報酬については、「改定にあたっては社会保障審議会の医療部会と中医協の議論を先行させ、その議論に基づき医療保険部会での議論を進めるべき」と提案。中長期的な課題としては「病院と診療所の診療報酬体系を別にすることの検討も始めるべき」とした。
医療の控除対象外消費税については、「医療にかかる控除不能消費税は課税とすることを強く要望する」としている。
電子カルテについては、「医療を支える基盤として、電子カルテの標準化とその費用の公的支援を要望する」とした。あわせて、「高額なサイバー攻撃対策は高い費用を要し、現在の診療報酬では地方の中小病院をはじめとする多くの病院で実施不可能であるため、国策として行うことを強く要望する」としている。