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新型コロナの影響で診療所の入院外の診療報酬収入1割減に(5月20日)

日本医師会は5月20日の会見で、「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」の結果を発表した。診療所の3月分入院外の総点数は▲9.4%で、前年度に比べ1割近く診療報酬収入が減少していることがわかった。

調査は3月診療分のレセプトが対象で、病院125、診療所468、不詳21の計614施設から回答があった。

入院外の総件数、総日数、総点数について前年同月分と比較したところ、病院は総件数▲6.8%、総日数▲6.6%だったが、総点数は単価の上昇があったため3.6%増となった。

診療所は総件数▲10.9%、総日数10.7%、総点数▲9.4%といずれもマイナス。

初診料の算定回数は、病院▲20.3%、診療所▲29.0%。再診料または外来診療料の算定回数は病院▲5.5%、診療所▲9.1%となった。

外来受診の動向(3月27日~4月22日)を聞いたところ、「減った」は病院の79.2%、診療所の84.6%となった。

経営上の課題としては、「子育て中、介護中の医療者のみならず、事務職員の確保も困難になっている」「医療用資材は、サージカルマスク、消毒用エタノールのみならず、さまざまな資材が不足している」などの意見があがっている。

会見で松本吉郎常任理事は、「今年度から診療報酬改定が行われたが、それ以上にコロナウイルス感染症の影響が大きい。今後、改定の検証調査が計画されていると思うが、正しく分析できるかどうか難しいのではないか」と述べた。

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