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ベア加算により介護職員の基本給等+10,060円、職種を問わず給与額は増加――「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」を了承(2023年6月16日)

厚生労働省は6月16日第37回介護給付費分科会介護事業経営調査委員会を開催。「令和4年度介護従事者処遇状況等調査の結果について」について議論された。

「介護従事者処遇状況等調査」は介護従事者の処遇の状況や、令和4年2月~9月の介護職員処遇改善支援補助金・令和4年10月からの介護職員等ベースアップ等支援加算(ベア加算)の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的として実施するもの。

介護保険施設のほか、訪問介護・(地域密着型)通所介護・通所リハビリテーション・特定施設入居者生活介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護事業所事業所を対象として、加算などの届出状況・給与等の状況などが調査された。

ベア加算の取得率は91.3%、ベースアップ等は65.9%が手当を新設

令和4年度の介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している施設・事業所における介護職員(月給・常勤)の基本給等について、加算の取得前(令和3年12月)と取得後(令和4年12月)を比較すると、10,060円の増額となった。

また、取得状況を見ていくと、調査時点で91.3%となっており、介護職員等特定処遇改善加算よりも高い取得率となった。

賃金改善の実施方法では、ベースアップ等のみでの対応した割合は71.1%。

それ以外の賃金改善を併用した場合においても、その半数以上が賃金改善の合計額に占めるベースアップ等の割合を70%以上としていた。

実施方法を見ると、「決まって毎年支払われる各種手当てを新設」し、ベースアップ等とした場合が65.9%を占めており、既存手当の引き上げが17.5%、給与表の改定が15.8%、定期昇給が14.4%となっている。

また、介護職員以外の職員への配分状況をみると、看護職員および生活相談員・支援相談員の割合が高くなった。
一方、加算の届出をしていない理由を見ていくと、「賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑」が40.0%、「計画書や実績報告書の作成が煩雑」が35.5%などが挙げられた。

職種・新型コロナの状況等にかかわらず給与額等は増加に

介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所等においては、介護職員以外の介護従事者等についても、基本給等・給与額の増加が見られた。

看護職員においては基本給等+7,160円(給与額+18,180円)、生活相談員・支援相談員においては基本給等+9,040円(給与額+16,170円)となっている。

また、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員などのリハビリテーション職のほか、介護支援専門員や事務職員、調理員や管理栄養士・栄養士などにおいても、それぞれの職における平均額の増加が示された。
このほか、新型コロナウイルス感染症の影響についても調査が行われた。

陽性者等の発生状況別および感染症の運営への影響別の結果については、介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所等においてはいずれにおいても、影響にかかわらず平均給与額は増加していている結果となった。

委員会はこうした結果を了承。今後、介護給付費分科会で報告される。

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