#12 どっちが先進国? アゼルバイジャンのIT事情【後編】「汚職・賄賂との戦い」
着任最初の誕生日を現地職員に祝ってもらう
その前にちょっと「柔らかい話題」を一つ。
過日こちらで最初の誕生日を迎えました。
ここアゼルバイジャンでは、慶事・お祝いごとがあると、そのおめでたいことがあった本人が職場の仲間や友人にケーキなどを振る舞う、という習慣があります。
こちらにきてから、「今日は誰々さんの誕生日です」とか「誰々さんのところにお子さんが生まれました」「誰々さんが婚約しました」「息子さんが無事割礼を済ませました」と言って、その度に秘書が「お祝い」ケーキを持ってきます。
私も6月に初孫が生まれた時に館員・現地職員みんなにケーキを配りました。すると現地職員が次々に「おめでとうございます」と大使室にお祝いを言いにきてくれました。公邸の警備担当職員まで私に声をかけてくれました。
で、自分の誕生日当日、私としては二度目の「ケーキ配り」に臨むべく出勤したところ、大使室のドアにこんなお祝いの飾りが付いていました。
なかなかうちの現地職員も粋なことをする、と感心しながら、とても嬉しく思いました。
住民のクレーム対応と職員のメンタル対策はなかなかなもの
で。本題に入ります。閑話休題。
前回、ASANセンターという、この国の「電子政府」の取り組みについて紹介しました。
IDカード一枚で、ワンストップ・ペーパーレスで各種行政手続・行政サービスが迅速に受けられる。実際に「電子政府」が機能するとどうなるのか、ハード・ソフト両面でのITインフラをきちんと整備すればこれだけのことができる。
この国ではその姿を具体的に見ることができます。
今回は、電子政府を実現することのもう一つの大きな意味、「汚職と腐敗の根絶」について考えます。
その前に。このASANセンターには、前回お話ししたこと以外にも、私が感心したことがいくつかありました。今日の本題に入る前に、ちょっとだけお話ししたいと思います。
第一は、「住民のクレーム対応」です。
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