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法律で読み解く 再評価率表の変遷 ①

平成6年制度改正の再評価率表から令和5年度の再評価率表まで

大山 均(おおやま ひとし)/株式会社 社会保険研究所 顧問

年金額の算出に使われる再評価率について、令和5年度から昭和31年度以後生まれの人の再評価率が新たに独立して設定されることになり、昭和30年度以前生まれの人と異なる再評価率となりました。今回は、再評価率の変遷をたどります。(全2回のうち1回目)


はじめに

厚生年金保険から支給される老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金は報酬比例の年金である。報酬比例の年金は、その年金の受給権者が被保険者であったときの標準報酬(遺族厚生年金の場合は死亡した受給権者または被保険者の標準報酬)をもとに算出する平均標準報酬月額(平成15年3月以前)または平均標準報酬額(平成15年4月以後)に、法律で定められた乗率と被保険者であった期間の月数を乗じて年金額が算出される。この平均標準報酬月額と平均標準報酬額を算出するにあたっては、過去の標準報酬を現在の物価や賃金の水準に再評価するために一定の率を乗じることになっている。この率を再評価率という。

この再評価率が法律上はじめて規定されるようになったのは、昭和48年の法律第92号においてであった(昭和48年法律第92号附則第5条第1項および第10条第1項)。この昭和48年の法律第92号から平成6年の年金制度改正に至るまでは、旧船員保険法の再評価率(昭和61年3月まで)が別に設定されていた以外は、再評価率は受給権者の生年度に関係なく1本の再評価率となっていた。
参考までに、昭和48年法律第92号の公布時点での附則第5条と附則第10条の再評価率表をあげておけば次のとおりである。

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