オンライン資格確認の導入で返戻レセプトが減少(7月26日)
社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は7月26日の会見で、オンライン資格確認導入後の返戻レセプトの状況を発表した。
昨年10月から本格運用を開始したオンライン資格確認の効果によって、資格関係の事由で返戻となるレセプトの減少を見込んでいることがわかった。
オンライン資格確認の実施によって見込まれる効果として、①医療機関等窓口でオンライン資格確認を実施することにより、旧資格で請求されるレセプトや誤った資格情報が記載されるレセプトが減少する、②レセプト受付時に支払基金で資格確認を実施することにより、旧資格で請求されたレセプトや本人家族の区分を誤って請求されたレセプトは、新資格の保険者への振替又は分割とするため、資格関係等の事由で返戻となるレセプトが減少する―をあげた。
その結果、原審査では資格関係の事由により医療機関等へ返戻となったレセプトの件数は、令和3年10月~令和4年4月の7か月間で令和元年度の同時期と比べると約25.5万件減少し、12か月分の推計では約43.8万件減少すると見込まれる。
一方、再審査では資格関係の事由により医療機関等へ返戻となったレセプトの件数は、令和3年12月~令和4年4月の5か月間で令和元年度の同時期と比べると、約4.9万件増加する。原因はこれまで支払に影響がないため返戻されてこなかった枝番の誤りも修正されないと薬剤情報等の閲覧対象にならないことから、保険者から返戻される事例が増加したと考えられる。
しかし、枝番の誤りについてはシステム改修を行って令和4年11月処理分より支払基金で訂正することとしているため、増加は一時的なものと見込んでおり、12か月分の推計では約32.6万件減少する。
検討終了の医科の審査取決事項の割合は42.6%
一方、支払基金改革の進捗状況について発表した。審査結果の不合理な差異解消に向けた審査基準の統一の取り組みでは、検討終了している医科の審査取決事項の割合は42.6%で、3か月前よりも大幅に進んでいることがわかった。
医科の審査取決事項の6月末時点の整理状況をみると、2万6487の取決事項のうち、1万1279事項(42.6%)について検討を終了した。3月末時点では7382事項(27.9%)だった。