日医が診療報酬上の特例対応を評価(12月23日)
日本医師会の松本吉郎常任理事は12月23日の会見で、令和3年度薬価改定については遺憾の意を表明する一方、薬価改定財源の一部を活用した診療報酬上の特例的な対応を評価した。
12月17日の厚労相と財務相の大臣折衝で決定した初の中間年の薬価改定については、「大規模な薬価改定とされたことは医療提供者側としては誠に遺憾で、医療現場へのさらなるダメージが大変懸念される。国民負担軽減の観点は理解できるが、いま最優先すべきは新型コロナに直接対峙している医療機関やそれを面で支える地域の医療機関の支援である」と不満を表した。
一方、中川俊男会長がこれまでの会見で述べた「コロナ禍の現状で国民の生命を守るためには、薬価改定財源は最前線で活動する医療機関の支援の原資とするなど診療報酬上で中間年に加算し、医療費財源に充てるべき」とする主張を紹介。
その上で、12月18日の中医協で承認された新型コロナの感染予防策を講じた医療機関に対し、外来診療の初・再診等で1回当たり5点、入院で1日当たり10点を加算する特例的対応については、「政府が国民の暮らしを支えている医療機関が、まちから消滅するという危機が差し迫っている状況にあって、緊急事態と判断されたためと理解している。日医としては、全国の医療現場で奮闘している医療従事者に力強いエールを送るべく賛同した」と評価した。