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革新的新薬創出や医薬品の安定供給の課題を報告 ヘルスケア産業プラットフォーム(2023年3月28日)

医薬・医療機器関連の労働組合が加入するヘルスケア産業プラットフォーム(篠原正人代表)は3月28日、国会内で第2回「革新的新薬等創出および医薬品等の安定供給にかかる課題報告会」を開催した。国会議員36名を含む約150名が出席し、わが国の研究者・開発担当者が直面している課題などが報告された。

課題報告は、①わが国イノベーション創出環境の課題、②医薬品の安定供給の構造的課題、③医薬品産業が直面する課題―の3点。

わが国イノベーション創出環境については、3月にヘルスケア産業で働く研究開発職を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。
「わが国の薬価制度・診療報酬制度やイノベーションを促進するための国の各種支援制度に満足しているか」の問いに対し、医薬品の研究者では「不満」との回答が61.9%で6割となった。

意見としては「薬価改定が毎年行われることで、製薬企業の収益が得られにくくなってきている。研究開発費が削減され、研究開発環境は悪くなってきている」「薬価改定によるダメージが大きく、製薬企業の創薬活動を衰退させる」などがあがった。

ドラッグラグ・ドラッグロスについては「原材料や人件費が高騰しているなかで、薬価が引き下げられているのは現状に則していない。診療費が引き上げられているにもかかわらず、薬価のみが引き下げられている」と拡大を懸念する声があがっている。

医薬品の安定供給の構造的課題については、原材料やエネルギー高の影響について問題提起がされた。

「医薬品等の安定供給をゆるぎないものにするためには、サプライチェーン全体を見据え、それぞれの流通当事者の状況に応じた対応が必要。今回の臨時特例的不採算算定の対象は一部であり、効果は限定的である。またCMO(医薬品製造受託機関)や医薬品卸の実態を踏まえた支援措置も必要」「原材料やエネルギーが著しく上昇し、不採算もしくは利益を圧迫するケースにおいては可及的速やかに不採算実態を解消し得る制度や予算措置の枠組みを構築すべき」などを提言した。

日薬連の宮島理事長が骨太方針へ要望

一方、医薬品産業の課題については日本製薬団体連合会の宮島俊彦理事長が、骨太の方針に向けた要望事項を発表した。

日本製薬団体連合会の宮島俊彦理事長

薬価改定に対する要望では、現行の薬価改定方式について抜本的な見直しに向けた検討を求めた。革新的新薬のアクセス改善に向けては、①革新的新薬の薬価について特許期間中はシンプルに薬価を維持②新規性・革新性の高い新薬について新たな価値評価の仕組みの構築―を盛り込んだ。

医薬品の安定供給確保に向けては、基礎的医薬品・不採算品再算定などの薬価を下支えする仕組みの充実を要望した。

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