見出し画像

「救急用サマリー」の項目・期間を提示 ――閲覧端末は電子カルテに限定(2023年9月11日)

厚生労働省は9月11日、健康・医療・介護情報利活用検討会「医療等情報利活用ワーキンググループ」(WG)を開催し、電子カルテ情報共有サービス(仮称)における運用のほか、救急医療時における「全国で医療情報を確認できる仕組み(ACTION1)」について議論した。

「ACTION1」については、令和4年12月15日の同WGにおいてすでに検討が開始されているが、今回はオンライン資格確認等システムから抜粋された救急用の情報である「救急用サマリー」の項目と期間について議論した。

2022年12月15日医療等情報利活用ワーキンググループ資料

「救急用サマリー」の項目とその期間については、救急医療経験のある医師・看護師へのヒアリングおよび日本救急医学会や日本臨床救急医学会の意見書等を踏まえ、「受診歴」「薬剤情報」「診療情報」「透析情報」については「3か月」、「電子処方箋情報」については「45日」、「手術情報」については「3年」の案が提示された。

なお、上表における「通常外来」項目の期間については、9月7日の医療保険部会において、以下のように保存期間の見直しが提案されている。

2023年9月7日社会保障審議会医療保険部会資料

救急医療時の医療情報閲覧については、1次〜3次の「病院」に限定した運用が想定されており、マイナンバーカードまたは4情報検索(氏名、生年月日、性別、住所)により、救急搬送された意識障害患者の本人同意なしで、オンライン資格確認等システムから抜粋された「救急用サマリー」が閲覧可能となる。

現時点の閲覧フローと救急用サマリーのファイル表示画面イメージは下図の通りとされている。

利用可能端末は電子カルテのみ

令和4年12月15日の同WGでは、「救急医療時における医療情報閲覧」の仕組みの利⽤可能端末については、「電⼦カルテ端末」と「医療情報閲覧端末」とされていたが、救急時医療情報閲覧施設は1次〜3次の「病院」に限定した運用が想定されていることも踏まえ、「医療情報閲覧端末」は本仕組みの対象外となる。
そのため、病院は既に電⼦カルテ普及率が高いことから、電子カルテ端末向けシステムに絞った開発が予定されている。

なお、電子カルテ未導入施設は、標準型電子カルテの検討を含め、2030年の電⼦カルテへの完全移⾏を進めていく中で検討される。 

関連書籍

救急医療時における「全国で医療情報を確認できる仕組み(ACTION1)」については『医療DXの今後に向けて 電子処方箋・オンライン資格確認Q&A 令和5年4月版』の466~471頁に掲載されています。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。