算定基礎届はこの1冊で万全『社会保険の事務手続(総合版)』令和6年度版
社会保険研究所から4月中旬に『社会保険の事務手続(総合版)』令和6年度版が発刊となります。1967年の初版から57年、毎年、全国の公的機関、企業の社会保険実務ご担当者様にご採用いただいているロングセラーです。
発刊にさきがけて試し読み「定時決定と算定基礎届」の一部を以下に公開いたします。
全員の標準報酬を決めなおすとき【定時決定と算定基礎届】
4月・5月・6月の報酬(平均月額)で決定
7月1日から10日(または指定日)に算定基礎届を提出
被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が出ないように、毎年1回、標準報酬月額が決めなおされます。これを定時決定といいます。
定時決定にあたり、事業主は、全被保険者について、4月・5月・6月に支払った報酬を「算定基礎届」に記入し、7月1日~10日(または指定された提出日)に提出します。
7月1日現在の全被保険者が対象
届出の対象となるのは、7月1日現在の全被保険者および70歳以上被用者です。対象となる人については、配付されてくる用紙に、被保険者氏名・生年月日・従前の標準報酬月額などが印字されています。印字もれの対象者については、予備用紙に記入するなどして届け出ます。
ただし、次の❶~❹のいずれかに該当する人は算定基礎届の提出は不要です。
❶6月1日以降に被保険者となった人(「資格取得時決定」で翌年の8月までの標準報酬月額が決まっています)
❷6月30日以前に退職した人
❸4月からの報酬の大幅な変動により7月に随時改定の対象となる人
❹8月または9月に随時改定が予定されている旨の申出を行った人
※上記❸、❹の人については、算定基礎届の報酬月額欄を記入せず、空欄としたうえで、備考欄の「3.月額変更予定」に〇を付して提出してください。
※電子媒体申請および電子申請の場合は、上記❸、❹の人を除いて作成してください。
※上記❹の人について、随時改定の要件に該当しないことが判明した場合は、速やかに算定基礎届を提出してください。
報酬月額の計算方法
4月~6月のうち対象月の報酬の平均月額を算出
報酬月額は、4月・5月・6月の3カ月間に支払われた報酬について、基本的には次のように計算します。
※各月の報酬月額は「その月に実際に支払われた報酬」、給与計算の基礎日数は「その報酬の支払いの対象となった日数」をいいます。たとえば、月給制で3月16日~4月15日分を4月25日に支払う場合、4月の報酬月額は、「4月25日支払額」、給与計算の基礎日数は3月16日~4月15日の「31日」となります。
※現物給与(食事・住宅等)については、給与の締め日は考慮せず1カ月分の報酬として計算します。上記の例では、4月1日~30日の1カ月分として「4月25日支払額」と合算します。
給与計算の対象となる日数が支払基礎日数
給与計算の基礎日数とは、その報酬(給与)の支払いの対象となった日数をいいます(以下、支払基礎日数といいます)。
時給制・日給制の場合は、実際の出勤日数(有休休暇を含みます)が支払基礎日数となります。月給制や週給制の場合は、給与計算の基礎が暦日で、日曜日なども含むのが普通ですので、出勤日数に関係なく暦日数によります(ただし、欠勤日数分だけ給料が差し引かれる場合は、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から欠勤日数を控除した日数となります)。
17日未満の月は対象から除外
支払基礎日数が17日未満の月は、報酬が通常の月とかけはなれる場合があることから、計算の対象から除きます。たとえば、5月の支払基礎日数が17日未満だった場合は、下図のように4月と6月の2カ月分で計算することになります。なお、特定適用事業所等に勤務する短時間労働者は、支払基礎日数が11日未満の月は計算の対象から除外します。
※随時改定、産前産後休業終了時改定・育児休業等終了時改定の支払基礎日数についても同様です。
※『社会保険の事務手続(総合版)』令和6年度版「定時決定と算定基礎届」のページでは、以上のほか、算定基礎届の記載例や短時間労働者の定時決定時の標準報酬月額の算定方法、適用拡大に関する主な事務手続等についても解説しています。
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