都医など4団体「東京ワクチンチーム」を設置(6月8日)
東京都医師会の尾﨑治夫会長は6月8日、中小企業などの新型コロナウイルスワクチンの職域接種を推進するため、「東京ワクチンチーム(仮称)」(Tokyo Vaccination Team:TVT)を設置することを発表した。東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会、東京都看護協会の4団体で連携し、ワクチンの打ち手の派遣などの支援を行う。今月中にもスタートさせる見通しだ。
職域におけるワクチン接種が21日から開始する。尾﨑会長は、大企業は専属産業医や病院・診療所を持っているケースもあるため打ち手の確保が見込める一方、中小企業などの従業員らへの接種では打ち手の確保が難しい現状があることを指摘。
その上で、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師が協力してチームをつくって、産業医のいない中小企業や商店街、飲食店従業員など打ち手の確保が困難な職種へ接種を進めていく。都や商工会議所と綿密に連携をとりながら、区市町村のワクチン接種事業と並行し、幅広く接種が進むようにサポートを行う」と述べた。
チームの医師確保については、「自院で接種を実施していない医師や病院の医師のなかにには接種に協力したいと思っている医師がいる。地区医師会や病院団体を通して働きかけていきたい」と述べた。
尾﨑会長は、「なるべく早くワクチン対象者すべてにワクチン接種を終えることが、現状において最も有効なコロナ対策と考えられる。ワクチン接種を加速させ、東京から感染者がなるべく出ないような環境を早くつくっていきたい」と訴えた。
同会見には、3団体の代表も出席。東京都歯科医師会の井上惠司会長代行は、歯科医師による筋肉注射の研修については全国で約6000人、東京都では約800人がe-ラーニングを受講したと報告。
東京都薬剤師会の永田泰造会長は、都内の37市区町村で薬剤師が接種に協力しているとし、「接種する人は接種に専念し、それ以外の行為は薬剤師が担当することでミスを防ぐことができる。ワークシェアをすることで、都民の方には安心して接種してもらえる」と述べた。
東京都都看護協会の山元恵子会長は、都内に約7万人の潜在看護師がいることを説明。新型コロナの業務に特化してナースバンクに登録している看護師は約900人で、このうち約400人が先行接種を終えて準備しているとし、「チームを組んで活動することで質の高い接種ができるのではないか」と期待を示した。