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福祉用具の評価・検討方法の整理案を提示(9月10日)

厚労省は10日、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会(山内繁座長)に、介護保険における福祉用具の評価・検討方法の整理案を示した。

①有効性の評価②安全性の評価③保険適用の合理性の考え方─の3点から評価・検討していく考えを示しており、概ね賛同が得られた。

評価・検討方法は、従来の7要件からなる「介護保険制度における福祉用具の範囲の考え方」を前提に議論されている。厚労省は今年度、用具の評価・検討方法を策定し、それを踏まえ、現在、メーカー等から申請されている用具について、同検討会において保険給付の対象とするかどうかの協議を進める予定だ。現時点で用具と住宅改修を合わせて20件程度が申請されているという。策定した評価・検討方法に基づいた場合に不足するエビデンスデータ等については、メーカー等に追加で求めることも想定している。

さらに厚労省は、評価・検討方法を踏まえて、申請時に提出を求めている「介護保険制度における福祉用具の対象化に係る調査票」について見直す予定だ。見直した調査票は次年度以降、適用していくとしている。また今後は、申請された福祉用具や住宅改修の検討について、概ね年1回程度は行っていく方向だ。

有効性・安全性・保険適用の合理性の観点から評価・検討していく

今回示された評価・検討方法の整理案は、7月31日の会合で出された意見を踏まえたもの。

用具について①有効性の評価②安全性の評価③保険適用の合理性の考え方─の3点に分けて、評価・検討の視点を示している。このうち①有効性の評価では、対象となる利用者・利用場面や、具体的な効果の視点から検討することを示した。

利用者については、「どういった心身機能の低下や日常生活に支障がある者に有効なのか」の観点から考える。また利用場面では、日常生活上の利用場面の特定を求めるとしている。

具体的な効果については、▽日常生活の自立に資するどのような効果があるのか▽介助者の負担軽減を含め、日常生活上の便宜及び機能訓練にどのような効果があるのか─などを視点として提示。さらに効果について、エビデンスデータの評価指標例を示すとともに、データの提出を求めるとしている。

自立助長の効果の指標例では、既存のADL評価指標や、QOL評価等の評価指標の活用などを挙げた。

②安全性の評価における検討の視点として、福祉用具専門相談員が利用者への適合を行う際に必要と考えられる情報の整理を提案し、▽利用が危険と考えられる心身機能の状況▽利用方法の注意事項▽保守の方法─を示した。また可能か限り利用安全マニュアルを求めるなどとしている。

③保険適用の合理性の考え方では、介護保険制度は公的保険で賄われており、一般国民との公平性や経済的負担を考慮する必要がある一方、日常生活上必要不可欠な機能や一般の生活用品との明確な線引きが困難なことを踏まえ、一般国民との公平性や経済性、有効性、保険給付への影響等の観点から総合的に勘案することを提案した。

検討の視点としては、▽日常生活における機能として欠かせない▽他のサービスや製品等の代替がきかない▽一般的に低価格なものではない─などを示した。

他方、複合機能を有する用具については、複合機能が本来の目的を果たすための機能として必要かどうか、本来の機能を補完するものかにより判断することなどを示した。

意見交換では、▽ヒヤリハット情報や事故情報を集める統一的なフォーマットの作成と収集した情報をフィードバックする仕組みを構築すること▽保守に関連してレンタル品となる用具の消毒等における留意点も挙げること▽保険適用に当たり個別に保険者に意見を求めること▽既に保険適用となっている福祉用具についても変化が生じ一定期間が来たものは再評価すること─などが出された。


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