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外保連の改定要望、ロボット内視鏡手術は11件が採用(1月24日)

外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は1月24日、記者懇談会を開き、令和4年度診療報酬改定要望のポイントについて報告した。

令和4年度改定における医療技術の評価では、外保連からの提案要望採用率は新規技術で42%、既存技術で25%であることを明らかにした。ロボット支援下内視鏡手術は18件の要望のうち、11件が採用される見通しとなった。

中医協の医療技術評価分科会は1月18日、令和4年度診療報酬改定で対応する優先度が高い技術として175件(新規77件、既存98件)を決定。翌19日の診療報酬基本問題小委員会で了承された。

分科会における評価対象となる技術は733件(新規284件、既存449件)だったことから、採用されたのは全体の24%、新規は27%、既存は22%となった。令和2年度改定の採用率は全体が36%で、新規33%、既存37%のため、それと比較すると令和4年度改定は低くなっている。

一方、外保連の要望は昨年11月の分科会に提出したのは360件(新規148件、既存212件)だったが、最終的に評価対象となったのは314件(新規129件、既存185件)だった。

このうち、採用されたのは101件(新規54件、既存47件)で、採用率は全体の32%、新規42%、既存25%となった。令和2年度改定の採用率は全体の41%、新規39%、既存42%だった。

優先度が高い技術の採用率が前回改定よりも低かったことについて岩中督会長は、「本体改定率は0.43%だが、処遇改善や不妊治療の保険適用分が含まれているため、実際は厳しい財源の状況だ。分科会でも厚労省の担当官から、『今回は渋くて申し訳ない』といった発言があった」と述べた。

外保連が保険収載に向けて注力しているロボット支援下内視鏡手術は、各学会から18件(新規13件、既存5件)の要望があがった。

分科会で採用されたのは11件(新規8件、既存3件)となった。

このうち、新規に保険収載を要望した術式は、◇咽頭悪性腫瘍手術(ロボット支援)◇結腸悪性腫瘍手術(同)◇総胆管拡張手術(同)◇肝切除術(同)◇腎悪性腫瘍手術(同)◇尿管悪性腫瘍手術(同)◇副腎腫瘍摘出術(同)◇副腎腫瘍切除術・髄質腫瘍(褐色細胞腫)(同)―の8件。

増点・施設基準の見直しを要望した術式は、◇胃悪性腫瘍手術・切除(同)◇胃悪性腫瘍手術・全摘(同)◇胃悪性腫瘍手術・噴門側切除術(同)―の3件となった。

KコードとSTEM7の突合結果を今後の報酬改定に順次提案

ロボット支援下内視鏡手術について現行の施設基準では、直腸がん手術と胃がん手術は10例以上、食道がん手術は5例以上の経験症例数を要件としている。

岩中会長は、「保険収載とは標準化できている手術を広く普及させるもので、10例経験した医師がいないと認めないのでは逆に足かせになる。矛盾した要件だ」と指摘。

その上で、岩中会長らによる調査研究事業の結果を説明。3つのがん手術の術後合併症の発生数について、基準値以下の群と超える群との間に有意な差がないことがわかった。分科会では、同結果を「施設基準の見直しに活用することが考えられる」と評価した。

一方、診療報酬の手術分類のKコードの整理について、外保連試案の基幹コードSTEM7との突合を進めていることを示した。令和4年度改定参考資料として整形外科領域、心臓血管外科領域の検討を開始し、令和6年度改定、令和8年度改定を目途に順次結果を提案していく方針だ。

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